鈴木:基本的に必要なのはガソリン代と食事代と宿代くらいじゃない? ロシアはガソリン代は日本の半分だし、宿なんて1000~2000円でいくらでもある。食事はまあ話したとおり不自由するけど、高くはない(笑)。ヨーロッパに入ると物価は一気に高くなるけど、でも均してみれば1日1万円、30日なら30万円あればできるよ。あとフェリー代が10万円いかないくらい。実は一番お金かかるのが、ドイツから日本へクルマを送りかえす船賃かな。それもまた走って帰れば節約できるけど(笑)

おっ、想像していたほどは高くはないんですね。

鈴木:すごく贅沢にするやり方もあるだろうけど、私のは全然そういうのじゃない。お金がなければないなりに工夫するじゃない。海外でドライブ旅行するのに一番、お金をかけないやり方は、日本で安いクルマを買って、向こうに置いてくること。スズキのワゴンRかなんかで、アフリカまで走った女性だっているんだから。ずっと車中泊して、予算を抑えたらしいですよ。さすがにパンクの修理方法だけは出発前に覚えたらしいけど、日本車だったら信頼性も高いから、そんなことだってできるよね。

なるほど。

80周年は大勢で来たいね

鈴木:東京~ドイツのビジネスクラスの正規運賃がおそらく100万円くらいだと思いますけど、その予算があれば無理なくできますよ。十数時間でたどり着くのももちろん悪くないけど、数十日間をかけてたどり着いた先に得るものは、ちょっと言葉とかにはしづらいものなんだよね。まぁとにかく楽しいですよ。80周年は、もし可能なら今度はもっと大勢で一緒に走ってこれたら最高だよね(笑)

ポルシェミュージアム内にあるガレージで、展示への準備を進める鈴木さんの356
ポルシェミュージアム内にあるガレージで、展示への準備を進める鈴木さんの356

 現在、ポルシェミュージアムでは、来年1月6日まで70周年記念特別展示を実施している。ポルシェAGは、公式にこの鈴木さんの偉業をたたえ、期間中、日本からやってきた鈴木さんの356の展示を行っているのだ。日本人として誇らしく、とてもうれしい計らいだと思う。

■変更履歴
記事掲載当初、本文中で「島根県の境港」としていましたが、正しくは「鳥取県の境港」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです [2018/09/12 14:00]