「シャープはかつて全てのテレビを液晶にすると宣言した。今度は全ての窓を透明ディスプレーにするつもりでやりたい」──。こう意気込むのが、シャープの透明ディスプレー開発チームの一人、花岡一孝課長だ。

屋外で際立つ「黒」の表示

普及すれば世界が変わる?
●透明ディスプレーの用途
普及すれば世界が変わる?</br>●透明ディスプレーの用途

 シャープもJDIと同様、フィールドシーケンシャル方式を用いている。違いは、ガラス基板の外側に偏光板を配置すること。光の透過率が25~30%に低下してパネル全体が少し黒っぽく見えるが、黒と白のコントラストが現行のテレビとほぼ同等になるという。「コントラストが強いと明るい場所でも白飛びしにくくなる。屋外での使用に向いている」と、吉田秀史上席主任研究員は解説する。

 シャープは2016年夏、埼玉高速鉄道の車両で技術を実証した。運転席と乗客席の仕切り部分に17インチの透明ディスプレーを組み込み、キャンペーン情報などを表示した。時にシースルー、時に普通のディスプレーのような画面は「思った以上に外が明るくてもきれいに見えた」(吉田氏)という。

 シャープが得意とする省エネ技術「IGZO(酸化物半導体)」を使ったのも特徴だ。IGZOは電流が流れやすく、回路を細かくすることで透過率を上げやすい。「50インチ、60インチも可能」と吉田氏は話す。アパレル店舗のショーウインドーなどで導入が進めば、街の風景が一変しそうだ。