不透明な部材を「端」に設置

 JDIが開発した透明ディスプレーは、“不透明な部材”を画面の端に固めることで光を通し、向こう側の景色が見えるように工夫している。

ジャパンディスプレイの透明ディスプレーの仕組み
●不透明な部材を端に設置
ジャパンディスプレイの透明ディスプレーの仕組み</br>●不透明な部材を端に設置
赤、緑、青のLEDライトを高速で切り替えながら照射する。特定の画素に電圧をかけて液晶の向きを変え、特定の光だけを散乱させ、外に見えるようにする
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 上の図にあるように、ガラス基板で液晶を挟む構造は一般的な液晶ディスプレーと同じだ。だが、光の量と色を表現するLEDライトを、パネル背面ではなく端に配置した。

 LEDライトは赤緑青の光を、それぞれ5ミリ(ミリは1000分の1)秒間隔で放つ。それぞれの色の光が、毎秒66.6回ずつ点滅する計算だ。「イメージは高速のパラパラ漫画で、人間の目にはカラー映像に見える」と、JDI次世代研究センターの奥山健太郎テクニカルスペシャリストは説明する。「フィールドシーケンシャル」と呼ばれる手法だ。

 LEDライトが発した光は、ガラス基板と液晶の間を反射しながら進む。ただし反射しているだけでは光は外に漏れず、ディスプレーは透明なままだ。

 ここに映像を表示するため、JDIは屈折率が従来と異なる新たな液晶を開発した。「特定の画素に電圧をかけて液晶の向きを変え、光を散乱させて狙った部分だけを光らせる」(奥山氏)ことに成功した。LEDライトが赤、緑、青の光を放つタイミングに合わせて液晶を制御すれば、フルカラーの映像を表現できる。透明状態と散乱状態を素早く切り替えるには応答速度がカギとなるが、新たな液晶を開発することで実用化の道が開けた。

 課題は大型化だ。「近々にノートパソコン程度の大きさにしたい」と奥山氏は話す。透明ディスプレーの最大の特徴は、周囲の空間に溶け込みやすいこと。インテリアを重視した家具への搭載も、JDIは視野に入れている。

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