日本流の絆や連帯感の強さに磨きをかける

 また、おもてなし文化に象徴されるように、日本人は相手の状況や気持ちを察し、先んじて行動することが、比較的若い頃から求められる。そのため、チームメンバーなど他者をおもんぱかりながら活動することがもともと得意だと言える。海外の企業と違って、人種や宗教の違いに起因する価値観の対立も生じにくい。

 職場では、上司や同僚の意見・考えの背景(コンテクスト)を想像し、相手が明確に指示しなくても、期待に応じた行動を取ることが、海外の従業員よりも得意だ。明示しなくても通じるというハイコンテクストカルチャーのもとでは、「言わなくてもわかる」ので、コミュニケーションのコストを低く抑えることができる。

 日本でもダイバーシティーの推進による価値観の多様化により、以前よりもこうした特徴が薄れてきているかもしれないが、米国などに比べるとまだアドバンテージがあるかもしれない。

 さらに、仕事の関係者間で、常に情報を共有し、相談し合いながら物事を進めるスタイルは、世界でも珍しい。「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」という、徹底した情報共有がどの企業でも重視される。こうした日本企業の特徴は、チームで協力して成果をあげる際に、とても大きな意味を持つ。今後、こうした日本流の絆や連帯感の強さにさらなる磨きをかけていくのも、我が国独自の働きがい追求の一つの方向性として、有力な道なのではなかろうか。

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2018年9月 日経BP社刊
マイケル・C・ブッシュ&GPTW調査チーム(著)