世界標準には遠い日本の「働きがい改革」

 GPTWでは世界で「働きがいのある会社」調査を実施しているが、残念ながら日本の結果平均は、世界に比べると例年相当に低いレベルにとどまっている。もちろんそれは、日本人特有の回答傾向に起因する部分もあると考えられるが、それを差し引いても、日本企業の働きがいのレベルは残念ながらグローバルでは高くない。つまり、働きがいのある会社や職場を意図的につくり出せる力のある企業が、日本には少ないということである。

 早急に、日本全体の「働きがいを高める力」を高めないことには、近い将来、優秀な人材が日本企業から消えてしまうだろう。前回指摘したが、今の日本企業にとって「働きがい」向上の鍵となるのは、「働きやすさ」よりも「やりがい」の向上である。

 もちろん、やりがいや働きがいはそう簡単に実現できることではない。

 働きがいのある会社づくりとは、働きがいのある企業文化づくりのことである。

 文化とは、そこで働く人の価値観に基づく行動様式から生まれるものであり、労働環境や人事制度など、目に見える制度を整えるだけでは変えられない。すべての会社には、会社の様々な歴史や成功体験が刻まれている。それらが積み重なっている伝統のある会社ほど、その文化を変えることは難しい。だが、スタートして何とか続けていかないことには、10年後も20年後も企業の文化や風土は変わらない。

 1日でも早く、働きがいのある会社づくりに取り組むこと、そして、その積み重ねが10年後、20年後の会社の繁栄を左右する。文化づくりは時間がかかるからこそ、手遅れにならないうちに着手したい。

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