「どっちを選んだほうが宇宙に近づけるか?」

黒田:女性が宇宙に興味を持つきっかけになりそうなのは、あとはやっぱり恋愛でしょうか。宇宙を目指すと魅力的になれる、とか?(笑)

 これは私自身のことですが、宇宙飛行士になりたい、宇宙に行ける人になりたいと思った時に、クリアしていかなければいけないことがいろいろあります。英語力もそうだし、健康な体を維持することもそうだし、表現力とか、人間性とか、すべての条件を揃えていかないといけない。

 そういう中で、日々、何か選択をするときに、「どっちが宇宙に近づくかな?」と無意識に考えています。

 たとえば、目の前で人が倒れたとしても、驚かないで、どう対処するかを考える。テンパらないようにしている。もともとテンパリ屋さんなんですが、テンパる自分を抑えて、いかに的確にその人を助けるかということを考えられるようにする。そういうことを1つ1つやっていくと、宇宙飛行士に近づけるんじゃないかと思っています。

「一発目の成功から先は意外に速いかも」

会場からの質問:宇宙旅行がビジネスになるまでに、どのくらいかかりますか?

石田:それは「ビジネスとして成立する」ということをどう定義するかによって答えが変わってきます。ヴァージン・ギャラクティックは来年には最初の弾道宇宙旅行を実施すると言っていますが、1人が宇宙に行けばビジネスになったかというとそうではない。「利益が出る恒常的なビジネスになる」という意味で考えると、まだ何年も先のことだと思います。

 その時間軸を決めるのは、最初の成功がいつになるかだと思うんですね。というのは、スペースXがロケットの1段目の回収に初めて成功したのは昨年でしたが、その後、何度も回収に成功している。回収の成功はもうニュースにならなくなっています。そして来年には回収した1段目の再利用で10回とか12回の打ち上げをすると言っています。

 それで思ったのですが、1回目ができれば、その繰り返しはすさまじいスピードでオペレーションに変わっていく。

 先ほども言いましたが、0から1を生むのはすごく大変ですが、最初の1人が成功すれば、その先は加速するのではと思います。

(取材・構成:長崎隆司)

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