「熱意あふれる社員」が6%しかいない日本

 しかし、果たして副業が、付加価値を生む人材育成につながるのだろうか。私は、副業をしたいという動きの背景の一つに、本業できちんと報われていないという思いがあるように感じている。もちろん、自分が納得できるような処遇が得られないということもあるだろう。しかし、それと同時に、きちんと評価されていない、もっといえば会社は自分に関心をもってもらっていない……というような思いがあるように感じている。ここに気になるデータがある。世論調査などを手掛ける米ギャラップが世界139カ国の企業を対象に従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)を調査したところ、日本は132位で「熱意あふれる社員」の割合が6%しかいなかった*8。これは米国の31%と比べて大幅に低くなっている。

*8 米国GALLUP“State of the Global Workplace2017”
[画像のクリックで拡大表示]

 副業が企業や個人、社会にもたらすプラスの側面もあるだろう。しかし、まずもって企業が取り組むべきことは、従業員が本業において、取り組む意欲が高まるような評価や処遇をきちんと整備し、定着させることであろう。そうすれば、従業員は本業でやりがいを持って仕事ができるようになり、その結果、生産性も上がる。雇用維持と利益増加という2つの目標を両立させるのは企業の責任であり、社員に十二分に力を発揮して働いてもらうよう、処遇や環境を整備するのは企業の責務であろう。

 副業が突き付けているのは、個々人の成長や挑戦を支援しない日本企業の組織文化、組織風土の変革ではないだろうか。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。