なるほど。電動化の流れもエンジニアリングとしては1つの必然だと。
アレックス:そうです。実はポルシェ博士は、19世紀当時から電気が普及することを予想していたのです。周りがまだ蝋燭を使用している頃、彼の家の明かりは全て電気によるものでした。他にも、例えば電気を使った「アイスシューズ」と呼ばれる雪を解かす靴も愛用していたようです。
では、当時から電気自動車のアイデアもあった?
アレックス:ポルシェ博士は、1900年にはすでに電気自動車を作っていました。ローナーポルシェと呼ばれるもので、モーターが内燃エンジンよりも速く、トルクも大きいことは分かっていたのです。インホイールモーターで四輪駆動にするなどのアイデアもすでに実現していました。さらに今のガソリンスタンドのような電力供給インフラの構築を1900年に検討していました。それらがいまようやく実現しようとしているのです。

ミッションEの正式車名がタイカンと発表されましたが、ではそれもミュージアムに収まるわけですね。
アレックス:我々のところに1台来ることは決まっています。私の次のプロジェクトとして、2014年から17年までのハイブリッドレースカー19台を入手します。
ルマンで3連覇したLMP1のマシン! それでは、また見にこなくちゃいけませんね。
自動車を通して歴史を見よう
日本にもトヨタ博物館や日産ヘリテージコレクション、ホンダコレクションホール、マツダミュージアムなどなど素晴らしいミュージアムがたくさんある。訪れてみると自動車とは単なるモビリティではなく、歴史であり文化なのだと気づくはずだ。ポルシェの70周年展示は来年1月6日まで開催。出張のついでにでも、ぜひ。
記事掲載当初、サブタイトルで「ポルシェミュージアム館長に聞く」としていましたが、アレックス氏はクラシックカー部門の責任者です。お詫びして訂正します。[2018/09/20 14:30]
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