NIPPON PAYの反論

 「NIPPON PAYは中国国内のライセンスホルダーからサブライセンスを受ける形でアリペイ決済を提供しています」

 こう語るのはNIPPON PAY創業者である高木純CEOだ。高木CEOは日本地域のアクワイアリング・パートナーとの契約はないと率直に認めた。

 「NIPPON PAYは加盟店とユーザーの利便性を追求した結果、アリペイとウィーチャットの双方に対応するマルチ決済サービスを展開している。アクワイアリング・パートナー経由ではこうしたサービスは提供できないため、他地域のライセンスホルダーと提携する形態を選んだ」。これが高木CEOの主張だ。今後はさらに対応サービスを増やすほか、全国規模で代理店と提携。タブレットの無償配布などの積極的な展開によって、キャッシュレス決済のプラットフォーム企業を目指すという。

 アントフィナンシャルジャパンとのトラブルについて高木氏は次のように話す。「米国や韓国など他地域では同じ代理店がアリペイとウィーチャットの双方を取り扱い、両サービスを同時に導入できるのが一般的です。アントフィナンシャルジャパンはアクワイアリング・パートナーにアリペイしか扱えないような、排他条件付きの契約を交わしていると聞いていますが、これは不公正な競争にあたるのではないでしょうか」

 NIPPON PAYと提携したアルファクス・フード・システム、MXモバイリング、リミックスポイントの各社に導入理由について問い合わせたところ、いずれも複数の決済サービスが一度に導入できる点に魅力を感じたと回答した。なお上記3社はいずれも提携は発表したものの、NIPPON PAY経由の決済はいまだに稼働していない。MXモバイリングはその後、提携を解消している。

 アントフィナンシャルジャパンの王氏は契約に排他的条項は含まれていないと否定しつつも、「アリペイは決済、マーケティング、プロモーションによるデータマーケティングのビジネスでもあるため、アクワイアリング・パートナーは基本的にアリペイ・サービスの提供にフォーカスする形になっている」と説明した。つまり、アントフィナンシャルと契約したアクワイアリング・パートナーがアリペイとウィーチャットを同時に提供することはできないが、別の代理店を経由してウィーチャットを導入すれば、加盟店は2つの決済サービスのいずれも利用できるようになる。

 また、高木氏は為替レートの問題についてはアリペイ公式レートで両替されているはずであり、もし問題があるとするならばNIPPON PAYが関知し得ない中国ライセンスホルダーの責任だと反論。「日本にキャッシュレス革命を起こし社会に貢献することが我々の理念であり、そのためには加盟店、ユーザーの利便性を第一に考えるべきだ」と主張している。