脂肪の分解、くっついて阻害

 明治がプリン体に着目したのに対し、雪印メグミルクが発見したのが「内臓脂肪」に効く乳酸菌「ガセリ菌SP株」だ。この株を含有したヨーグルト「恵 megumiガセリ菌SP株ヨーグルト」は、内臓脂肪を気にする消費者の支持を集め、2016年1~3月期の売り上げは2015年4~6月期に比べて約4倍に増えた。

 特に好調なのが、明治同様ドリンクタイプで、今年8月には神奈川県海老名市にある工場で、このタイプのヨーグルトの生産能力を強化する。

脂質吸収を抑えて内臓脂肪を減らす
●ガセリ菌SP株のヨーグルトと通常のヨーグルトとの摂取比較(12週間摂取)

 SP株もPA-3株同様に生きて小腸まで届き、ここで食物などから摂取された脂質に働きかける。通常、脂質は肝臓から分泌された胆汁酸により細かく砕かれ、これを膵リパーゼが脂肪酸とグリセロールに分解して腸管から吸収している。SP株は腸内で胆汁酸と「くっつく」ことで、脂質が細かく砕かれるのを防ぐ。膵リパーゼは粒径が小さいほど効率的に脂質を分解する。逆に言えば、SP株の作用により脂質の粒径を大きいままにしておけば、分解が進みにくくなるというわけだ。結果的に脂質は便として排出され、体内に取り込まれる量が減る。

内臓脂肪の増加につながる脂質を、腸内で吸収しにくくする「ガセリ菌SP株」を雪印メグミルクは配合した

 雪印メグミルクは、肥満傾向にある成人の被験者52人に12週間、SP株入りのヨーグルト100gを毎日食べてもらった。その結果、おなかの内臓脂肪の表面積が平均で6平方センチメートル近く縮小した。

 SP株が脂質の吸収を抑えるメカニズムは、これだけでない。この菌株には腸管を保護する機能もある。高脂肪食物を摂取すると、腸管バリア機能が破綻して炎症物質が血中に流入。これが脂肪組織の炎症を引き起こし、内臓脂肪の蓄積やメタボリックシンドロームの原因となる。SP株は腸管バリア機能の破綻を抑えることで、脂肪の蓄積を防いでいる可能性もある。

 なぜSP株は胆汁酸とくっついて分解を鈍らせたり、腸管を保護する機能があるのか。詳細はまだ明らかになっておらず「研究を進めている最中」(雪印メグミルク市乳事業部の相沢利規氏)という。