これからの経営イノベーションにはデジタル、データ、デザインの3つの「D」が欠かせない。7月26日(水)~28日(金)に、「D3 WEEK 2017 ~Beyond the Customer First デジタル×データ×デザインで真の顧客ファーストを描き出す~」というマーケティングイベントを開催する専門誌3誌が、3つの「D」を活用した最新の企業事例などについて紹介します。

 この記事は、同イベントに参加する専門誌『日経デザイン』が、ブランド復活に挑戦しているシャープの取り組みを取材したものです。

“次の100年”のためのブランド戦略

 業績の悪化から台湾の鴻海精密工業の傘下となったシャープ。2017年6月30日には東京証券取引市場第一部への指定を申請するなど、次第に持ち直してきたように見える。

 そのシャープが今、積極的に推進しているのが企業ブランドの復活である。2016年3月期は営業赤字だった状況から、2017年3月期には営業収益がプラスに転じた。この機を逃さずに、シャープの存在感をアピールするのが狙いだ。

 実はシャープの場合、社内で企業ブランドを策定し推進する部隊が、インハウス(企業内)のデザイン部門「ブランディングデザイン本部」だ。各事業部のデザイン部門を統括する本社のデザイン本部と、経営企画部門の傘下にあったブランド戦略部が2015年10月に統合して発足した新しい部門だ。

 インハウスのデザイン部門が、プロダクトや製品のUX(ユーザーエクスペリエンス)にとどまらず、全社的な企業メッセージを発信する機能まで担い始めた。こうした例は珍しい。企業のあるべき姿を可視化し、その姿に沿って一貫性のあるプロダクトデザインを開発したり、体験価値を実現したりするためにも、デザイン部門がブランディングに果たす役割は大きいと判断した。