もう1つは彼も使命として感じていることだが、研究所は研究しているだけではダメだということ。やはりいまの事業に何らかのパフォーマンスをすぐに返さなければならない。その考えが我々にもマッチすると思い、仲間に加わっていただいた。
リクルートに眠っている宝のような大量のデータをAIで解析して、人類を豊かにすることに活用していく。例えば、リクルートには、マンションを買った、旅館に泊まった、飲食店を予約してこういう料理を食べた──といったデータがある。
ハレヴィ氏も言っているが、我々は生活に直結するデータを数多く持っている。あらゆるカテゴリーの情報をAIで分析することで、個人の行動をより便利に快適にする情報を、最適なタイミングでレコメンドできるようになるかもしれない。
人類を豊かにするというミッションを実現するためには、いろいろな進化が必要になる。彼の最も得意なジャンルでもあるのだが、まずデータベースの基盤を整える必要がある。よりスピーディーな分析を可能にするためにも、データベースの構築は非常に重要だ。彼にはいま、まさにその点で高いパフォーマンスを発揮してもらっている。
データ統合ツール群を無料公開
高いパフォーマンスの一端を紹介してほしい。
AI研究所ができて約2年、相当なデータの整備を進めてきた。AIの活用といっても、このデータベースを活用できる基盤が整っていないと、100階建ての高層ビルを建てることはできない。
どんなに優れたアルゴリズムが生まれ、画期的な技術が活用されても、データベース基盤という土壌ができなければ、レバレッジは十分に効かないと考えている。その点について、AI研究所は既に高いパフォーマンスを出している。
6月30日に、AI研究所から初めて世の中にリリースした。「BigGorilla」という、機械学習の利用を加速させる無料のデータ統合ツール群だ。データサイエンスの一連のプロセス(データ収集、整備、モデリング、解釈)のうち5~8割もの時間が使われるという、データ収集・整備のプロセスを効率化することを目的に開発した。社内では既に使っており、だからこそデータベース基盤を整備することができたというものだ。
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