スマホ向けアプリ「MUJI passport」も重要なマーケティングチャネルになっている。ダウンロード件数が870万件を超え、年間のアクセスベースではMUJI passportがWebサイトを超える。ところが、ユニークユーザー数はWebサイトに遠く及ばない。MUJI passportは1人当たりの利用頻度が26回と、Webサイトの8倍以上になっているためだ。アプリには濃い顧客が集まっているため、顧客単価もアプリ非利用者の1.5倍となっている。
こうした傾向が顕著になり始めたのは、アプリ上に無印良品に関するさまざまな情報を配信する「from MUJI」の提供を開始してからだ。アプリの提供開始時は、アプリを「会員カード」として利用できる機能や商品検索が主に使われていた。必要な時にしか使われないため、利用頻度はそれほど高くなかった。ここにfrom MUJIが加わったことで、「メディアとして使われるようになってきている印象がある」(川名氏)。
from MUJIへの情報発信で強化しているのが、店舗ごとの独自の情報発信だ。無印良品では店舗で参加できるワークショップを店舗ごとに企画して開催している。例えば、「オリジナルマグカップ」の制作や、デザイナーの深澤直人さんを招いたトークショーなどだ。同社はこうしたワークショップの開催に当たり、必要な情報を店舗が登録すると、MUJI passport上で自店をお気に入り登録している利用者に告知できるという仕組みを用意した。こうしたイベントに参加するアプリ利用者の来店回数と購入金額はともに、イベント不参加者と比べて2倍になっている。
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[日経デジタルマーケティング 2017年6月21日付の記事を転載]
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