地元民が好むサーモンを避けた寿司屋は1年で閉店 

 飲食業をはじめ、サービス業が海外で成功するためにはローカライズ、現地の人に受け入れてもらえることがポイントとなる。

 「本物の寿司を食べさせたい」とシンガポール人が大好きなサーモンを置かなかった寿司屋は1年で閉店した。

 Japan Food Townの隣には、ローカルのフードコートがある。ローカルフードコートの価格帯は5ドルから10ドル未満に対し、Japan Food Town の価格帯はサービス料や税金を含めると安くて20ドルからなので、現地の人にとって普段使いのレストランとはならない。

Japan Food Townの隣にあるフードコート。平日夜7時に撮影。

 また、現地人の嗜好も大切である。日本食が好き、というシンガポール人は多いが、日本食なら何でもよいという訳ではない。ラーメンはシンガポール人にも人気であるが、最も人気があるのはとんこつ味である。シンガポールのローカルフードは味が濃く、脂っこいものが多いので、とんこつのようなこってりした味が好みのようだ。

 そばやふぐなどの淡白な味の日本食はあまり人気がなく苦戦しているようだ。

 最近人気がある日本食は天丼とうなぎである。どちらも甘いたれがシンガポール人の舌に合うようである。以前から天丼もうなぎもシンガポールで食することはできたが、これらを流行らせたのは、長年現地で飲食業を営んでいるローカル人気の高いラーメン店と日本食店だ。高級店でしか食べることのできなかった天丼(天ぷら)とうなぎを価格を下げて大衆化したことで大成功している。ローカルの嗜好や消費マインドを知り尽しているからできたことであり、ローカライズがいかに重要かを示している。

ドン・キホーテが運営するDon Don Donkiの隣にある日本食フードコートの北海道マルシェ。平日午後8時撮影。ドンキからの客が流れていること、フードコートの形式をとって価格を抑えていることから他の日本食街よりはうまくいっている。