日経ビジネスでは6月19日から30日にかけて、副業に関するアンケートを実施し、合計598人から回答を得た。副業に8割が賛成する一方で、導入企業は2割にとどまるという結果が出た。一方で、経営者・役員も過半数が副業解禁に賛成するなど、意外な結果も明らかになった。日経ビジネスが始めたフォーラム「
Raise」でも現在、議論が続いている。
ソフトバンクやロート製薬など副業を解禁する企業が相次いでいます。雑誌や新聞を見ていても「副業」の二文字が載っていない日を探すほうが難しいほどです。
もし「副業」が広く認められれば、多くの人の働き方に影響を与えることは間違いありません。そこで、日経ビジネスでは6月19から30日にかけて「副業に関する調査」を実施し、合計598人から回答を得ました。
関心高いが、門戸はまだ
まず、「あなたの会社・組織は副業を認めていますか」という設問に対しては、「はい」が22%、「いいえ」が67%、「わからない」が11%でした。
あなたの会社・組織は副業を認めていますか?(ひとつだけ)
一方、副業経験の有無と興味については、「かつてやっていた」が7%、「現在やっている」が20%、「興味はあるがやっていない」が60%、「興味がない」が13%という結果になりました。8割以上の人が、副業経験があるか興味を持っているのに対して、容認している企業は2割強と、関心の高まりに対して、門戸は十分に開かれていないようです。
それでは実際に副業をする場合、1日平均でどの程度の時間を充てている(充てたい)と考えているのでしょうか。
この設問に対しては、42%の人が「1時間以上2時間未満」と回答しています。「30分以上1時間未満」の20%、「2時間以上3時間未満」の16%と続きました。副業の種類や本業の状況によって、実際には毎日コツコツとやったり週末にまとめてこなしたりなど様々なケースがあるでしょうが、平均すれば1日当たり1~2時間前後を充てたいという人が多いことがわかります。
副業に使っていた、もしくは使う時間を一日平均でお答えください。例えば週7時間の場合は1時間とお答えください。(ひとつだけ)
最後に「企業が副業を認めることに賛成か」を聞きました。回答者の属性を参照して「経営者・役員」と「それ以外」に分けて集計したところ、少々意外な結果になりました。
経営者も前向きな回答多数
経営者・役員は「はい」が67%、「いいえ」が12%、「どちらでもない」が21%だったのに対して、それ以外の人はそれぞれ78%、10%、12%。経営層は副業に慎重姿勢というのが通り相場であると見られていることを考えると、意外に前向きにとらえている人が多いようです。今後、副業を解禁する企業が増えてくるかもしれません。
自由回答の中から経営者・役員の意見を、いくつかご紹介したいと思います。賛成派からは「副業は個人の潜在能力を引き出すきっかけとなる」「会社の外の事まで会社が関与すべきでないし、副業によって曖昧な “職務専念義務違反”等と断ずるには足らないと思う」といったコメントが寄せられました。
一方で反対派からは「安全衛生管理機密保持に不安」「働き方改革の名のもと過重労働抑制している一方で、副業をしていると結局過重労働を助長されると思う」といった声が挙がっています。
皆さんは副業についていかがお考えでしょうか? 日経ビジネスが新たに始めた「Raise」の中にあるフォーラム「提言:私たちの働き方~副業は日本を救うのか?」では、ビジネスパーソンから専門家、大学生まで様々な人が参加し、意見を交わしています。皆様もぜひ副業についてのご意見をお寄せください。
▼【御礼&「Raise your voice」へのお願い】
日経ビジネスオンラインで実施した副業に関するアンケートへのご協力ありがとうございました。アンケートによると、8割以上の人が「副業経験がある」または「興味を抱いている」との結果でした。編集部として、いわゆる「良い副業」の実例を積み上げるとともに、課題解決と懸念を解消していく方策を引き続き探っていきたいと考えています。
アンケートの中で、「副業に関するご意見」も多くいただきました。職場の垣根を越えてスキルを磨きたい、生かしたいなど前向きなご意見もありましたし、現状の問題点などへのご指摘もありました。「結果として過重労働が助長されると思う」「本業に差し障りが出るのではないか」「本業の賃金引下げにつながるのではないか」といった声がその一例です。いいこと尽くめとは限りません。編集部として課題の洗い出しと丁寧な議論と点検をしていきたいと考えていますので、アンケートにご協力いただいたみなさまには、ぜひ、日経ビジネスが始めた新しいプラットフォームでの議論にも参加いただけるよう心よりお待ちしています!
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