他にも、バーべキューに着ていくモテ服、彼氏がほんとうに着て欲しい服、異性ウケが良い下着、など、具体的に絞り込まれた「シーン」と「キラーワード」を盛り込むとアクセスに繋がる、という。その際、面白いのが、

 「必ずしも、『いいね』が多く押されたコンテンツが、アクセス数が高いわけではない。『モテ』や『下着』などの切り口は、いいねは押されないけれど、アクセスが伸びるんです」

 という、エンゲージメント率(いいね比率)とアクセス数の非相関性だ。いいね、は他人にも見えてしまうのでタップはしないが、その実コンテンツには興味があるのでアクセスするのだそうだ。そのため、KPIは「アクセス数」に重きを置いている。

 現状、投稿頻度は「タイムライン」「ストーリーズ」ともに週5回。「ストーリーズ」のほうは、ユーザーの方々に昼休みに閲覧してもらうため、配信時間も工夫しているという。

 こうして、ヒットコンテンツを生み出すために、井上さんは自身の実感や、各ブランドとやりとりする営業からの提案を受け、チームに発案・提案していく。基本的には大きな問題がない限り「まずやってみよう」というポリシーで動いている。SNS運用ではその人選が重要だといわれるが、上司も井上さんを「自分自身もファッションに尖っていて、感性が強い、引きが強い。枠を決めずにチャレンジ精神があって次々トライしている」と評価を寄せる。

インスタグラム担当の井上沙紀さん(左)と上司のEC事業本部ブロック長・今泉学さん
インスタグラム担当の井上沙紀さん(左)と上司のEC事業本部ブロック長・今泉学さん

 チームとしては、今後、インスタグラムの世界で活躍するインフルエンサーの巻き込みやブランドとのコラボ、6月にリリースされたインスタグラムによる新動画アプリ「IGTV」などにも積極的に取り組みたいという展望だ。

 ZOZOTOWNの公式インスタグラムのフォロワーは2018年6月現在4.2万人。700万人を超える「お友達」を有するLINEアカウントと比べるとまだまだ小規模だが、LINE・Facebook・Twitterにインスタグラムを含めるソーシャルメディア経由の全体売上のなかで、近いうちに1割程度の売上額をインスタグラムで目指していく予定だという。

「食」でもインスタ経由の購入に期待

 経済産業省の2017年度「電子商取引に関する市場調査」によると、日本のBtoC市場規模で、第1位ジャンルである「衣料・服飾雑貨」の1兆6454億円に次ぐ第2ジャンルは、「食品・飲料・酒類分野」の1兆5579億円。今回の日本上陸では、インスタグラムのショッピング機能は、主にファッションジャンルが牽引しているが、今後はこの「食」分野でも通販市場へのインパクトが期待できそうだ。

 日本最大級の料理インスタグラムコミュニティ「クッキングラム」(※筆者が経営するアイランド株式会社で運営している)には、約1万名の食・料理分野に特化したインスタグラマー(=クッキングラマーと命名)が参加しており、月間の総リーチ数は3億を超える。その料理・食分野のインスタグラマーに対して実施した調査(※)によると、「インスタグラムで見かけた食品や調味料を一度でも買ったことがある」という回答者はなんと84.1%にも上る。購入機能がバンドルされれば、さらにユーザーは投稿を見て直接買いやすくなるだろう。

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