井上さん自身も27歳で、インスタグラム利用者とほぼ同年代のファッション好き。1年半前からSNS担当になり、日々、自身のリアルな実感をもとにさまざまなトライ&エラーを繰り返している。「ShopNow」機能でいうと、ZOZOTOWNは、6月の正式リリースより少し前の、5月末からファーストパートナーとして直接ショップサイトへのリンク施策が試せるようになった。

 「『ShopNow』機能では、ユーザーがタイムラインの投稿を見て、気になるアイテム画像の上をタップすると、商品名と価格が表示されます。そこをタップすると、中間ページが表示され、その下の『ウェブサイトで見る」というボタンをクリックすると、ZOZOTOWN側のその商品の購入ページに遷移する仕組みになっています。まだ機能が公開されて1カ月強ですが、この中間ページからウェブサイトへの誘導率はなんと6~7割。その高さに驚いています」(井上さん)

ZOZOTOWONを例にしたインスタグラム「ShopNow」機能の流れ
ZOZOTOWONを例にしたインスタグラム「ShopNow」機能の流れ

 機能公開からまだ日が浅いため、ユーザー自身がまだまだ新しい仕様に慣れていない。変わらずこれまでと同じ公式アカウントのプロフィールに記されているURLをクリックしているユーザーが多いが、今後機能が認知されてくれば、この誘導率は大きな後押しになるのではないか、と期待を寄せる。

引きがあるのは「シーン」×「キラーワード」

 では、インスタグラムユーザーは、企業からどのような発信を求めているのだろうか。ZOZOTOWNでは、もともと、インスタグラムでは「タイムライン」での写真投稿と、「ストーリーズ」での動画投稿では以下のような使い分けを行っている。

 「タイムラインの写真投稿では、基本は『アイテム推し』。スニーカーのコラボアイテムや、イメージモデルさんがついているようなブランドアイテムなど、即購入に繋がらない分、『売りよりはブランディング』を意識して投稿してきました。即完売してしまいそうな限定アイテムは、販売前にインスタグラムで積極的に情報開示しています。本サイトでは圧倒的な商品量のなかで埋もれてしまうものを差別化してとりあげたり。一方、動画の『ストーリーズ』のほうでは、はやくからサイトへの誘導が可能であったため、『シチュエーション』と『ユーザーさんにとってのうまみ』を組み合わせたファッションまとめへの窓口を意識しています。圧倒的に引きがあるのが『モテ』。ヒット事例でいうと『合コンに着ていくとモテるコーデ』のまとめは、アクセス数が大きく伸びます」

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