OB武田:今、ゼミはどうなんですか? やっぱりエグくても、有名ゼミが選ばれやすいの?

オバタ:ゼミに入ってないと、「なんで??」みたいな雰囲気にならない? 肩身が狭いというか。

学生江波戸:それは確かに。ゼミに入っていないと、友達がいない感じにはなるかもしれないですね。

オバタ:人気ゼミに入ることさえできれば、良い企業に入ることが約束される、とも聞きました。それって実際ありえますか?

学生江波戸:はい、そうですね。あると思います。

OB武田:そういう環境の中で、「本当はあれをやりたいけど、将来のことを考えてこれをやる」みたいな選択もするわけですか?

学生江波戸:そうですね。

文学部志望に親が大反対

OB武田:最近、慶應文学部の教授で愚痴っている人がいて、「内部生が、文学部を選んでくれない」と。内部生が文学部を志望すると、親が大反対するという話はよくあるそうです。

学生江波戸:親が反対するのは、「慶應といえば、経済学部」といったヒエラルキー意識があるからだと思う。子供目線でいえば、そもそも、大学って何をやっているのか、高校生にはわからない。

オバタ:内部生なら、高校の先生が大学の学びについて教えてくれるのでは?

学生江波戸:教えてくれないです。

オバタ:えっ、慶應って、「付属校」ではなく、「一貫教育校」と呼ぶじゃないですか。なのに、高大接続がなされていない?

学生江波戸:たとえば、高校でも法律の授業はありますけど、法学部の先生が教えてくれるとか、そういうわけじゃないんです。だから、学生は学部選びのときに、何をやりたいかっていうよりも、「ラクかどうか」で選んでしまう。文学部のネックは、語学の単位取りが厳しいところです。

オバタ:そこなの!? 就職の良し悪しで文学部を避けているんじゃないんだ。で、大学からはラク単(楽勝で取れる単位)情報ばかりが入ってくる。

学生江波戸:先輩から入ってきます。法政(法学部政治学科)は一番楽なので、大学内ヒエラルキーのトップになるんです。

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