依存症のせいで、立ち食いそば屋を出禁になった
葉石かおり(以下、葉石):2013年の厚生労働省の調査によると、アルコール依存者数は109万人で、その下には多量飲酒者、つまりアルコール依存のハイリスク群(予備群)が980万人もいる、と推計されています。

浅部伸一(以下、浅部):小田嶋さんは、かつてこのピラミッドのトップにいたことがあるわけですが……。私も実は、自分が普段飲んでいる量から考えると、ハイリスク群ではあるので、頂点にのぼりつめないためにはどうすればいいのか、ということには興味があります。
とはいえ、好き勝手に飲みまくってもアルコール依存にならないですむような、特効薬のようなものは存在しません。葉石さんの本『酒好き医師が教える最高の飲み方』にもありますが、基本的には飲酒量を抑えるしかないんですよね。
1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。(写真:鈴木愛子、以下同)
葉石:結局は、そこに行き着くんですよね。
浅部:量を抑えるためには、前後不覚にならないよう、ゆっくり酔うようにする、また飲む時間を制限してダラダラ飲まない、といったことに気をつけるしかないと思います。
葉石:大酒飲みの人って、飲み始めるとあまり食べなくなりますよね。私は食事とお酒を一緒に楽しみたいタイプなので、それが不思議なんですけど……。
小田嶋隆(以下、小田嶋):ちゃんと理由があります。依存症になるような人がなぜ食べないかというと、食べ物が入ると酒が入る量が減っちゃうから。お腹の容量を空けておきたいんです。胃にものが入っていると、スムーズに酔えないんですよね。
浅部:血中アルコール濃度をできるだけ速く上げたい、と(笑)。本当は食べ物だけでなく、水も飲んだほうがいいんですよ。それはアルコールを飲むことによる脱水を防ぐのと、お腹を膨らませて飲酒量を減らすという効果があります。
小田嶋:ああ、依存症者にとっては、ゆっくり飲むことも、途中で水をのむことも、何なら会話することも、全部酒をまずくする要因なんですよね。
(一同笑い)
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