認証を目指す動きが強まる

風車の形状を工夫して出力を高める
●小型風力発電の風車の主な形状
風車の形状を工夫して出力を高める<br />●小型風力発電の風車の主な形状
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 FITを適用して売電するには日本海事協会の型式認証を得た風車を使用することが条件となる。3月16日現在、登録されているのは13製品だ。市場の追い風を受け、風車の形態や回転制御に関する新技術の開発も進んでいる。

 小型風力発電には大きく分けて水平軸と垂直軸の2つのタイプがある。水平軸型は、大型風力発電でも多く使われる3枚ブレードのプロペラ型が代表例。回転軸が地面に対して水平で、風向きに追随して風車が動く。垂直軸型に比べ、発電効率は高いとされる。

 一方、垂直軸型は回転軸が地面に対して垂直に固定されており、風を全方向から捉えられるのが特徴だ。現在、型式認証を得ているのは台湾Hi-VAWTテクノロジーの製品のみ。

 垂直軸型には、出力は低いが風速が低くても回転するサボニウス型と、高出力を得られるが風速が高くないと回転を始めないダリウス型がある。Hi-VAWTはこの両方を組み合わせ1つの風車に搭載している。両方式の利点を生かし、低速でも回転を始め、高速になれば高出力を得られる。

<b>ベアリング大手のNTNが開発中の垂直軸型小型風力。来年の製品化を目指す</b>
ベアリング大手のNTNが開発中の垂直軸型小型風力。来年の製品化を目指す

 この垂直軸型のHi-VAWT製品と水平軸プロペラ型のスペイン・エネラの製品の双方を販売する自然風力発電(仙台市)の山本攻社長は「海岸沿いなど水平に一定の風が吹く場所は水平軸型、段差がある高台など風が吹き上げる場所には垂直軸型が向く」と話す。

 垂直軸型はベアリング大手のNTNも開発に乗り出している。浜松市のベンチャー、グローバルエナジーが開発した羽根の特許使用権を取得し、来年中に型式認証を得て発売を目指す。

高風速時に風車を止めない

 風力は風速の3乗に比例する。プロペラ型の多くの機種では風速毎秒3mくらいから出力し始め、9m程度で最高出力に達する。だが、台風や突風などで風速が強すぎると、過剰回転による危険防止のために風車を止めてしまう。せっかく高出力を得られる高風速時に止めるのは無駄が多い。そこで高風速時に風車を止めない工夫が必要になる。

 出力が最大級の小型風車を製造するアイルランドC&Fグリーンエナジーの「CF20」はブレードの角度を調整し、強風時に風を逃がして過剰回転にならないようにするピッチ制御が可能。そのため風速毎秒25mまで止めずに発電ができる。大型風車には搭載されている機能だが小型では珍しい。

 風力ベンチャーのゼファー(東京都港区)が開発したエアドルフィンは高風速時、風車の回転を電気的に制御することでどんな強風下でも風車は回り続ける。ブレードに、軽量で剛性に優れる炭素繊維を使うことで実現できた。

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