絵を描くという非言語表現をするためにまず言語表現を使うのですね。

長谷部:EGAKUプログラムは「人はまず言語によって自分の表現の仕方を認知する」という考え方にのっとっています。

 テーマが「あなたを突き動かしているもの」だった場合、「あなたを突き動かしているものは何か」「その根底にあるものは何か」といった問いに対する答えをワークシートに言葉で書いていただきます。こうすることで、参加者は言葉を通じてテーマにより深く向き合えます。

 過去の参加者の例で言いますと、「仲間への思い」「将来への不安」「家族」「好奇心」「達成感を得たい」「支えてくれた両親」「お客様の笑顔」など、様々な言葉が出てきます。

 次に、ご自身で見いだしたそれらの言葉と、EGAKUプログラムで用意した色のチャートを見比べながら、その言葉を色で置き換えるとどうなるかをイメージしていただきます。こうした言語表現と非言語表現を繰り返していくことで、ご自身の世界観を絵画作品に変換しやすくしているわけです。

 

 私たちの経験上、言語表現と非言語表現を繰り返すと参加者の言語表現が豊かになっていく傾向が見られます。ビジネスパーソンの中には仕事上仕方がないことかもしれませんが、ロジカルな言語表現以外は受け付けない傾向の方もいらっしゃいます。そうした方でもEGAKUプログラムを繰り返し受けるとコミュニケーションに使う言語表現の幅を広げていかれるように感じています。

 余談ですが、子供向けのワークショップでは、非言語表現の比重を上げ、言語化の比重を下げています。小学生の低学年くらいの年代ですと言語能力がまだ育っていないためです。

 自由に絵を描いてもらって、最後にその絵に表題をつけたり、自分の作品から感じることを言葉にしたりする、といったやり方をとっています。低学年の子供たちが絵に表題をつけるときに苦労する姿はとても愛らしく、その一方で、とても詩的な表題が続出するので面白いです。

パステルを使って作品を描く。砕くと粉状になるパステルを採用、指で紙の上の粉を伸ばして表現することもできる。
パステルを使って作品を描く。砕くと粉状になるパステルを採用、指で紙の上の粉を伸ばして表現することもできる。

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