手で書くとアルファ波が高まる

 日頃からマインドフルネス瞑想を実践している被験者は手書きによるジャーナリングでアルファ波が高まりました。一方、PCのキーボードによるジャーナリングでは手書きの場合に比べてベータ波が高まりました。

 脳波の基本的な傾向として、リラックスしているときはアルファ波、イライラしているときはベータ波が出やすいとされています。将棋の名人が最高のパフォーマンスを発揮している時にはアルファ波が出ているとも言われています。

 推測ですがPCのキーボードを打つ動作より、手を使って文字を書く動作のほうが複雑で、それが脳に良い刺激を与えているのではないでしょうか。

書籍『「手で書くこと」が知性を引き出す』の中で、ジャーナリングに使う「問い」の例を挙げています。

吉田:ジャーナリングでは書く前にテーマ、つまり「問い」を決めます。問いは簡単なもので構いません。「今私が書きたいことは何か」という問いでもOKです。これまで講座で紹介し、書きやすかったと言われたものを本で紹介しました。

 慣れてきたら自分なりの問いを設けることが大事です。ジャーナリングを通じて「自分ならではの問いを立てる」と力を養えるとみています。

 問いを磨き上げていくと、思わぬ答えが自分の中から引き出されてくる。これがジャーナリングの醍醐味です。良質な問いを立てられるかどうかで、ビジネスはもちろん、人生が大きく左右されるでしょう。


 手で書くことは心を整えるセラピー効果に加え、「思わぬ答え」を見出す創造性の発揮にもつながる。久世氏の見解、吉田氏によるジャーナリングの実験結果からそう言えるだろう。

 ビジネスの世界で働く個々人の創造性が重要なテーマとして、しきりに取り上げられている。「手で書くこと」はシンプルだが有効なノウハウと考えていい。

 同じ手を使う活動として近年、「絵を描く」プログラムがビジネスパーソンから注目されている。次回は「手で描く」ことの可能性を追ってみたい。