これだけ車体や車室容積、システム出力が大きくなったにもかかわらず、2代目のホワイトボディー(塗装する前のボディーシェル)は216kgと、初代より16kg増に抑えた。これは多くの軽量化努力のたまものだ。

 スペースフレーム構造の一つの利点は、骨格と意匠面を明確に切り分けられること。必要な剛性や強度を確保するために質量が大きくなりがちな骨格の部材を車輪の内側に集めやすい。

 その上、骨格の長手方向を車体に加わる荷重の方向と一致させるようにすることで、より小さな質量でより大きな剛性を持たせられる。高い運動性能が求められ、適切な質量配分や高い剛性、軽さが重要なスーパーカーにとって、もってこいの構造といえる。

安全性と燃費を高次元で両立
●ホンダのスーパーカー「NSX」に使われた主な軽量化技術
図3骨格における材料の使い分け
アルミニウム(Al)合金でも押し出し材、プレス成形品、鋳物を使い分けた。さらに鋳造では重力鋳造品とアブレーション鋳造品の両方を使う
図4骨格における鋳造品の適用例
アルミニウム(Al)合金の重力鋳造品は、さまざまな方向からくる部材を結合する部位に用いている。これにより、力をスムーズに伝えやすくなる。一方、アブレーション鋳造品は衝突時のエネルギーを吸収させたい部位や剛性だけでなく強度も求められる部位に使う

 ホンダが着目したのはそれだけではない。スペースフレーム構造がアルミニウム合金と非常に相性が良いことだ。例えば、アルミニウム合金は、鋼材と違って押し出し材を成形しやすい。鋳物にするにしても、比重が軽いため鋼材よりも軽くできる。このため、車体に鋼材を使う場合よりも押し出し材や鋳物を利用しやすいのだ(図3)。

 しかも、骨格として主に使うことになるのは押し出し材で、それを構成する面の板厚は面ごとに変えられる。例えば、角材では、4つの面の板厚をそれぞれ変えられ、強度や剛性を上げたい面だけを厚くすることが可能なのだ。必要に応じて押し出し材の内部にリブを立てることもできる。