「免許証」で良いドローンを管理

 こうしたドローン検知システムにはまだ課題が残る。全てのドローンを悪とみなす場合はいいが、イベントの空撮などドローンを正しく使用している場合、善悪の区別が付けられない。

 そこで、ドローンに識別子を付けて管理しようとする動きがある。ドローン関連ベンチャーのブルーイノベーション(東京・千代田)は、ドローンに個体番号を割り振って運行管理するシステムを3月中に発売する。

 その仕組みは自動車の運転免許に似ている。まず、ドローンの積極的な民間活用を目指す団体、日本UAS(無人航空機システム)産業振興協議会が、運転免許証のような「操縦技能証明カード」を発行する。このカードを取得するには、新設する自動車教習所のような施設でドローン操縦の腕を磨き、全課程を修了する必要がある。2016年中に施設を全国に20校開き、およそ1000人が証明カードを取得できる見込みだ。

 カードにはICチップが埋め込まれており、取得者がカード取得後、累計何時間ドローンを操縦し、どんな飛行経路をたどったかを記録できるようになっている。ドローンに搭載されたGPS(全地球測位システム)などのセンサーで操縦時間と飛行経路を記録。カードをドローンにかざせば、それらの情報をカードに送信できる仕組みだ。

ドローン市場は今後拡大が見込まれる
●関連サービスを含むドローン市場全体の推移
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出所:日経BPクリーンテック研究所 キャプション位置
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 「正しい使われ方をしているドローンの役割を邪魔することなく、不審なドローンだけをあぶり出せる」(ブルーイノベーションの熊田貴之社長)

 ドローンが安全に使用されるための法整備も進み出している。2015年12月に施行した改正航空法では、人口集中地区や空港周辺でのドローンの飛行を許可制にした。さらに2016年度中に総務省は、新たな周波数帯域をドローン操縦用に割り当てる。電波を利用する大手事業者に対して免許制を導入することも検討している。

 使い道の幅が広がったことで、ドローン関連市場(サービス含む)は2030年までに1037億円に拡大すると見られている(日経BPクリーンテック研究所調べ)。ドローンを有効に使った新サービスを生み出しやすい環境を醸成するためにも、いち早く異常を検知できるシステムの需要は今後ますます高まっていきそうだ。

(日経ビジネス2016年3月21日号より転載)