セコム開発センターの高橋哲也チーフエンジニアは、「2020年の東京五輪は屋外で開催される競技が多い。人が集まる国際イベントが安全に開かれるよう活用してもらいたい」と話す。

 セコムが不審なドローンを検知するのにレーダーを使うのに対し、沖電気工業が開発したシステムは、音だけでドローンの位置を把握できる。

 使用するのは、4台のマイクを連動させた独自開発の音響センサーとパソコンのみ。簡単な設備しか必要としない点がメリットだ。

不審なドローンを素早く見つける仕組み
主なドローン検知方式
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 同社のシステムにはあらかじめ、さまざまな種類のドローンの回転翼が発する風切り音の波形が登録してある。現場に設置した音響センサーでドローンらしき音を感知すると、パソコンでその音をデジタル信号に変換した上で、インターネットを介して同社のシステムに送る。システムでは送られてきた波形と登録済みのドローンの波形とを比較し、一致すればドローンと判定。パソコン画面に「機影探知!」と表示して警備員などに知らせる。

 音響センサーは、最大半径150mのエリア内への侵入を検知できる。発電所や自動車メーカーのテストコースなど、広大な土地を監視する需要を見込み、2015年に発売した。

 ドローンを検知するだけでなく、相手の操縦権を奪って捕獲する技術開発も進む。2016年中の商品化を目指してNECが開発しているのがそれだ。

 まず、半径3.5km以内に侵入してきたドローンをレーダーなどで検知し、警備員が監視するモニターに表示する。500m以内に近づくとカメラで追いかけ、さら300m以内に近づいて警備員が危険だと判断すると、防御体制に入る。電波妨害装置を使って不審なドローンの操縦権を奪い、空中でドローンを動かない状態にするのだ。

 妨害電波で撃ち落とすことも可能だが、あえてそれはしないという。「ドローンが危険物を運んでいる可能性がある」(NECの交通・都市基盤事業部第六システム部の金井武志部長)からだ。警備員が現場に急行し、電池切れで落下したドローンを安全に捕獲できるようにあらかじめ地上で準備しておく。

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