MUJIの家も外皮がポイント

無印良品の家の主力商品「木の家」のモデルハウス。箱型の建物に深さ1.8mのひさしと、南向きの大きな窓を配置してある。写真は間口10.92m(6間)、ひさしを含む奥行きが7.28m(4間)の一例。標準タイプの本体工事価格は2042万円(税込み)(写真提供=MUJI HOUSE)
無印良品の家の主力商品「木の家」のモデルハウス。箱型の建物に深さ1.8mのひさしと、南向きの大きな窓を配置してある。写真は間口10.92m(6間)、ひさしを含む奥行きが7.28m(4間)の一例。標準タイプの本体工事価格は2042万円(税込み)(写真提供=MUJI HOUSE)

 良品計画の「無印良品の家」は、2004年に販売して以来、全国で1600棟以上の建築実績がある。その全棟が「次世代省エネルギー基準」(1999年基準)をクリアしている。さらに2015年7月には、断熱性能の大幅な向上を図った。これにより、経済産業省の補助金「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」(執行は一般社団法人環境共創イニシアチブ)の交付条件を満たす建物外皮の断熱性能を確保した。

 「長く使える、変えられる」をコンセプトに掲げる無印良品の家は、耐震性や可変性とともに、温熱性能を重視して開発された。「まずは、がらんどうの箱に、いずれ暮らし方や住まい手が変わっても使い続けていけるような本質的な性能を持たせようと考えた」。無印良品の家の開発や販売を手掛けるMUJI HOUSEの川内浩司取締役は、そう説明する。

 省エネだけが目的というよりは、持続可能なスケルトンを実現する手段として外壁や屋根など「外皮」に高い性能を持たせてきたわけだ。

 無印良品の家のラインアップは、「木の家」「窓の家」「縦の家」の3つ。これらのうち販売の85%を占める主力商品が木の家だ。建物は、箱形の木造2階建てで、深さ1.8mのひさしと、2層分の大きな窓を持つ。二重断熱によって外皮性能が確保された建物の内部は、吹き抜けのある開放的な空間が広がる。

二重断熱を標準仕様に
●無印良品の家の外壁
二重断熱を標準仕様に<br /><span>●無印良品の家の外壁</span>
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 このデザインには、無印良品の家が目指す温熱性能のコンセプトがそのまま表れている。エアコンなどの機械はなるべく使わず、太陽の光や熱、そして風といった自然エネルギーをできるだけ利用して、快適な住宅を提供する。

 例えば、冬季に最大限の日射を取得する南向きの大きな窓や、通風のための北向きの開口部などは、熱損失の観点で見れば不利な要素となる。そこで設計段階から、日射の取得や遮蔽、自然の通風など、自然エネルギーの効果を加味した温熱シミュレーションを全棟に対して実施している。

 政府は2020年までに新築住宅の過半数をゼロエネルギー住宅にする政策を掲げている。その実現のためにも、エネルギーの無駄な放出を防ぐ蓄熱の研究が急務となっている。

(日経ビジネス2016年11月7日号 より転載)

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