自動運転のセンサーにも流用

 もう一つの開発テーマである付加価値の向上では、従来の後写鏡にはない機能の提案が相次ぐ。例えば萩原電気は、運転者の顔の向きに応じてカメラの映像の角度を変えるシステムを提案する。車内にカメラを設置して、運転者の顔の向きを認識する。カメラ映像は画角の広い魚眼レンズを使って撮っておき、顔の向きに合わせて映像も動かす。画像処理を施して、映像にゆがみが出ないようにした。

 付加価値の一つとして、認識機能を持たせて死角検知や後方車両の警告ができるようにする動きもある。将来的には、電子ミラーのカメラを自動運転のセンサーとしても使えるようにする。同じ位置に電子ミラー向けと自動運転向けにそれぞれのカメラを搭載するのはコスト高となるからだ。

 フェンダーミラーからドアミラーへという変更はあったものの、100年以上も革新的な進化のなかった自動車のミラー。それが今、電子化の波に乗って大きな変貌を遂げようとしている。安全性を高めながら自動車の魅力をどれだけ高めることができるか。メーカーの腕の見せどころだ。

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久米 秀尚
日経オートモーティブ記者


(日経ビジネス2016年10月3日号より転載)