燃料化で「おむつで温泉」も

 パルプに再生する以前に、おむつを燃料としてよみがえらせる技術はすでに離陸し始めている。スーパー・フェイズ(鳥取県伯耆町)は、熱処理でおむつを固形燃料にする小型システムを介護施設などに販売している。鳥取県伯耆町や北海道富良野市などで導入実績がある。

 機器の大きさは、幅5m、奥行き1.7mで高さが3m。1回につき、約600kgの処理が可能だ。ポリ袋入りのままおむつを投入すれば、すり潰すようにおむつを破砕。乾燥も同時に行い、撹拌する。最後に温度を上げ、一気に滅菌を施す。例えば、ノロウイルスは85度で1分処理すれば死滅するとされる。それ以上の温度で滅菌を施し、パルプを生成する。内部の臭気を含む排気は、配管を経由して脱臭機に送られ貴金属触媒で脱臭。さらに270度の高温処理によって最終処理を施す。そのため、外部に臭いが漏れることもないという。

 600kgのおむつは、約200kgの燃料となる。それをカプセル大に固めて燃料として使用する。燃料はハウス栽培や温水施設、ロードヒーティングなどの燃料として使うことができる。すでに導入した鳥取県伯耆町では地域の温泉施設で活用を開始しており、「おむつで温泉を沸かしている」という。

 スーパー・フェイズでは現在、病院や介護施設への納入に力を入れている。今後は、今より小さなシステムを開発予定だ。介護施設は、定員が100人程度の規模が中心。そうした小さな施設が導入しやすいようにする。1人が1日に使うおむつは4~5枚で、その重さは排泄物を入れて1.1kg程度といわれる。処理能力を120kg程度にすれば、一般的な介護施設が1日に消費するおむつの処理を賄えるとする。幅3m、奥行き1.5m、高さ2m程度で、価格を14分の1程度に抑える予定だ。

 海外からの問い合わせも増えており、マレーシアには来年納入の見込みだ。

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