コーン、ライ麦、大麦

 アメリカン・スティルハウスは誰でも見学することができる。入場料はかかる(10ドル)けれど、試飲3杯分とウイスキーグラス1個をくれるから決して高くはない。ただし、試飲ができるのは21歳以上だ。

蒸留所に隣接する見学施設へ
蒸留所に隣接する見学施設へ

 案内してくれるのは同社のガイドだ。わたしを案内してくれたのはキャリーさん。饒舌でしかも話すスピードが速い女性である。情熱的な人で、汗を吹き飛ばしながら話をする。英語がぜんぜんわからないとガイドの言っていることは理解できないけれど、多少、わかる人ならなんとかなる。ただし、準備はいる。事前に、山崎とか白州とか日本の蒸留所見学をしておくことと、蒸留(ディスティレーション)、発酵(ファーメンテーション)、熟成(エイジング)といった蒸留に関する英単語だけは暗記しておく。

 さて、見学コースを入ると、目の前にバーボンの原料、3種類が展示してある。

 コーン、ライ麦、大麦である。

バーボンの原料となるコーン、ライ麦、大麦
バーボンの原料となるコーン、ライ麦、大麦

 キャリーさんは原料を指さしながら説明をする。

 「バーボンには定義があります。原料の51パーセント以上をコーンで作ること。アルコール分が80パーセント以下になるよう蒸留すること。内側を焼いたホワイトオークの新樽で熟成させること。2年以上、熟成させたものだけをストレートバーボンウイスキーと呼びます。そして、水以外を加えてはいけません。そうして、アルコール度数が40パーセント以上あるものに仕上げる。それがバーボンです」

 原料のうち、ライ麦の比率を高め、全体の51パーセント以上にしたもので蒸留するとライウイスキーとなる。ライウイスキーはバーボンよりもスパイシーな風味がする。ショットグラスに注いでストレートで飲むとアメリカ西部の男になった気分に浸ることができる。日本ではなかなか見かけないけれど、ライウイスキーは刺激的な味がする。

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