出雲: 「あ・た・ま」です。ただし、「勉強しろ」とか「頭を使え」ではなく、「明るく・楽しく・前向きに仕事をせよ」です。その「あ・た・ま」です。

 今日も久しぶりに西岡さんと食事をしながら、西岡さんがミドリムシのことを覚えていてくださり、お招きいただき、「うれしいな!」と思って自然と明るくなって、楽しくなって、前向きな話をしているので、二人の話題は「AIと人間」というふうに未来に膨らみます。私が暗くて、声も小さく、背中も丸まり、ネガティブなことばかり言っていたら、二人の会話は囲碁やAIの話に絶対膨らんでいきませんよね。

 私は勉強ができるとかできないとかまったく気にしていなくて、明るく、楽しく、前向きであることがいちばん大切だと思います。

 例えば、後ろ向きで暗くてネガティブな発想をする人、そんな社員はユーグレナには一人もいません。それでも、徹夜明けの日とか疲れてネガティブになってしまうと、絶対にいいアイデアは浮かびませんから、日ごろ明るく楽しく前向きな社員が暗い時には、「『あ・た・ま』はどうしたの?」と声をかけるようにしています。

妥協なく論争をするという、このハーモニーが大切

西岡: ユーグレナはこれからまだまだ成長をされていくと思いますが、そうなると出雲社長には右腕が必要ですね。出雲さんが持ちたい右腕とはこういう人だ、というのはありますか。

出雲: 取締役で研究開発担当の鈴木健吾というすごい右腕がいます。彼は問題・課題を見た瞬間にパッと本質的な答えが頭に浮かんで、回答をサラサラと書いてしまいます。私は昔から自分より優秀な人と一緒に仕事をしたいと思っていたので、すでに理想がいるのです。

 しかし、頭の良い人は答えがすぐに見えてしまうだけでなく、リスクも見えてしまいます。

 一方、彼ほど頭の良くない私は、「こういうことをやりたい、こういうものを作りたい、もっとこういうふうに性能を上げたい」から考え出します。理論を無視して「ミドリムシで栄養失調をなくしたい、ミドリムシで飛行機を飛ばしたい」と夢を語ります。妥協なく論争をするというこのハーモニーが大切ですね。

西岡: これはまたいい話を聴きました。私の著書にも書きましたが、私のモットーは「有言不実行」です。“有言不実行”とは、言っておきながら何もしない、ではなく、不可能なことでもやるべきは、やろう!と発言することなのです。出雲さんが仰られたこととまったく同じです。

出雲: それは本当に大切なことです。ミドルマネジャーも、アントレプレナーも一緒で、有言不実行できる人のところに優秀な人が集まると思いますね。

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