入社後の活躍度合いまで予測

 デジタル面接の真価はそれだけではない。自己アピール動画の表情、音声、話した言葉(テキスト)をそれぞれAIで分析。顔の表情の豊かさや声の張り、話した内容などを参考に、「入社後活躍する人材になる確率」を導き出す。

 ユーザー企業はまず就職希望者との動画面接を録画したデータと、その希望者の採用結果をそれぞれ入力する。ハイアービューは入力データを基に、企業が有能と判断した人材の面接時の振る舞いや受け答えを統計処理した企業ごとの「採用人材モデル」を作る。

 以後は就職希望者と動画面接をするたびに動画データを入力・分析し、採用人材モデルとの類似度を導き出す。ユーザー企業の人事担当者はタレンタのコンサルタントらと共同で「類似度が適切かどうか」「類似度は高かったが入社後は実際に活躍したかどうか」といった要素を加味して、同モデルの精度を高めていく。現在は分析対象が英語などに限られているが、18年内に日本語版を提供する計画だ。

 ビズリーチ(東京・渋谷)が提供するクラウドサービス「HRMOS(ハーモス)採用管理」では、求人情報や応募者のプロフィール、採用プロセスごとの進捗といったデータを一元管理。応募者数や面接回数、面接官の評価といった情報を図示して、採用状況を見える化できる。面接日程のスケジュール管理や求人票の作成など、人事担当者の雑務を支援する機能も備える。

 ハーモスの特徴は採用業務の効率化にとどまらない。AIを活用することで、自社が求めている人材かどうかをシステムが自動的に判定。人事担当者が応募者を採用すべきかどうかの判断材料を提供する。

 AIで分析するのは就職希望者が自社の人材採用サイトに登録した履歴や職務経歴といったデータだ。今後は転職サイトのビズリーチと連携させ、人事担当者がハーモスに求人票を登録すると内容に見合う人材をAIで抽出する機能を提供していく。「必要な人材を探す手間そのものを減らせる」(HRMOS採用管理事業部長の古野了大氏)

 働き方改革の議論は残業時間や働く場所に焦点が当たりがちだ。有能な人材を獲得したうえで従業員一人ひとりの力を引き出して生き生きと働ける環境を築けた企業だけが生き残れる。18年はHRテック活用の巧拙が問われる。

日経コンピュータ

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