創造的で過程を大事にするタイプか、ロジカルに結果を追い求めるタイプか。仕事に対する価値観を可視化するサービスも登場した。カオナビ(東京・港)は2017年12月、人事クラウドサービス「カオナビ」に「SPI3タイプマップ」と呼ぶ機能を追加した。

 「SPI3」は人材採用の支援や人材紹介などの事業を手掛けるリクルートキャリアが運営する適性検査プログラムだ。専用ウェブサイトなどから受講する必要があった同プログラムを、カオナビ上で受けられるようにした。

 検査の結果を基に、「創造」「結果」「調和」「秩序」の4つの価値観のうちどれを重視するかを、四象限のグラフに示す。「既存事業のテコ入れプロジェクトは、結果を重視するメンバーを中心にアサインしよう」など、現場の管理職が人材を適材適所に配置しやすくする。

 カオナビはもともと、従業員の顔写真が並ぶ画面を使って人材情報を共有・管理するのが特徴。SPI3の結果についても顔写真を使って並べ替えることで、「文字が並んだ紙や画面に比べて、より直感的に人材の適性を把握できる」(柳橋仁機社長)。

 SPI3タイプマップには上司が部下とどう接すればよいかをアドバイスする機能もある。「理由を論理的に伝えるべき」「部下の不安を解消するよう努めるべき」といったコツを示す。「上司が日々の業務で従業員のタイプを意識してコミュニケーションすれば、従業員は意欲を高めやすい」(柳橋社長)

心身の健康状態をチェック

 企業向けの健康経営支援クラウドを手掛けるFiNC(フィンク、東京・千代田)は、従業員に心身の状態をアンケートして分析する「FiNCウェルネスサーベイ」の新版を17年11月に発表した。食事や運動といったフィジカル、心理状態を示すメンタル、仕事への意欲であるエンゲージメントの3つの観点から、従業員が自身の健康状態を把握できるようになった。

 上司は分析結果を基に「体調面に課題を抱えた従業員をいち早く発見して、きめ細かくケアできるようになる」(ウェルネス経営事業本部営業担当部長の長田直記氏)。

 採用業務でもHRテックの活用が広がっている。人事担当者にとって人材採用は最も重要であるが、手間のかかる業務の一つ。大量の応募書類に目を通し、就職希望者と面接日程を調整したうえで何回も面接を重ねる必要がある。自社の事業や組織、社風などに合った有能な人材を見抜く目も必要だ。

 大量の応募書類を動画に置き換え、有能な人材の発掘をAIで支援するのはタレンタ(東京・渋谷)の「HireVue(ハイアービュー)」だ。米国ではIBMやアップルなど600社以上が導入。日本では16年から販売を始め、星野リゾートや大京など数十社が導入している。

デジタル面接で適性を自動判断
●タレンタが提供するデジタル面接クラウドサービス「HireVue」のAI関連機能
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(写真提供=タレンタ)

 就職希望者は自己アピールの動画をスマートフォンなどで録画し、ハイアービューのウェブサイトに投稿。企業の採用担当者が閲覧できる。ビデオ会議のように就職希望者と採用担当者がライブ形式で動画面接を実施したり、採用担当者が事前に設定した質問を画面に示して順番に答えさせたりする機能も備える。「人材の募集から採用まで8週間かかっていた採用作業を2週間と4分の1に短縮できた企業もある」(中村究専務)

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