星野リゾートは「ブランドを差異化できた」

星野リゾートが東京・大手町に開業した「星のや東京」の玄関
星野リゾートが東京・大手町に開業した「星のや東京」の玄関

 旅館やホテルを運営する星野リゾートも大幅に順位を上げた企業の一つだ。総合ランキングは388位から109位に浮上した。

 星野リゾートといえば、2016年7月に東京・大手町に開業した「星のや東京」が記憶に新しい。都心のビルの上層階に旅館があり、靴を脱いで畳の上にあがるという非日常感が味わえるとして、海外からの訪問客を中心に人気を集めている。

 ランキングを押し上げた主な因子は「アウトスタンディング(卓越)」だった。まさに星のや東京効果かと思いきや、星野リゾートの桜井潤オペレーション統括本部長は「もちろん星のや東京効果はあると思う。ただそれは一部で、全体として2011年のマスターブランド戦略が浸透してきた結果ではないか」との考えを示した。

 星野リゾートのマスターブランド戦略では、先ほどの「星のや」以外に「リゾナーレ」、「界」という3つのブランドが中核をなしている。「星のや」ブランドは非日常感、「リゾナーレ」ブランドは大人のためのファミリーリゾート、「界」ブランドは温泉旅館といったコンセプトの違いがある。

 しかし、2011年当初は違いが今ほど浸透しておらず、「せっかく星野リゾートに泊ったのに求めていたものと違うとお叱りを受けることがあった」(桜井氏)。

 その後、社員もブランドごとのコンセプトを理解した上で、例えば「リゾナーレ八ヶ岳」なら地元のワインや野菜のフルコースといった具合に、施設ごとの特色を打ち出すようになってきた。その結果、「このリゾナーレがよかったので、別の場所のリゾナーレにも泊まってみよう」など客側のブランド理解も進み、「自社の満足度調査でも明らかに平均点が上がり、ミスマッチが少なくなったことを実感している」(桜井氏)。

 「三太郎」のCMだけでなない

三太郎が「au STAR」を紹介するKDDIのテレビコマーシャル
三太郎が「au STAR」を紹介するKDDIのテレビコマーシャル

 「金ちゃん!」「桃ちゃん!」など、日本の昔話に登場する主役を登場させたCMでおなじみのKDDIも、171位から74位へ総合ランキングを大幅に上昇させた。

 インパクトのあるCMは知名度を上げるのに効果が高いが、ブランド力は知名度だけでは上昇しない。

 KDDIでは「フレンドリー(親しみ)」という因子の評価が大幅に上昇している。この点についてKDDIコンシューマ事業企画本部の木村奈津子コンシューマエクスペリエンス推進部長は、「CMをきっかけに気にかけてくださるようになった顧客を引きつけるサービスが整ってきたからだろう」と説明する。

 例えば、2016年8月に始めた契約者向けのプログラム「au STAR」がそれに当たる。ポイントが貯まったり、プレゼントがもらえたりするなどの特典が得られるものだ。ほかにも「電力自由化で始まったauでんき、au契約者がお得になる住宅ローンなど生活面のサービスも充実してきた」(木村氏)。

 2017年は窓口の混雑など「時間がかかって当たり前」という常識を壊していきたいという。来店予約をネットからできるようにするといった取り組みは始まっている。「契約時の説明も、じっくり聞きたい方用、要点だけ押さえて聞きたい方用など要望に応じて使い分けられるように整備しているところ」(木村氏)だという。

コンシューマー市場(BtoC)編の「総合力」ランキング
順位 ブランド名
2017 前回順位
51 16 ITOEN 伊藤園
52 222 asics アシックス
52 84 AEON MALL イオンモール
54 33 Asahi SUPER ”DRY” アサヒスーパードライ
54 33 お~いお茶
54 156 GODIVA ゴディバ
57 72 LINE
58 80 TSUTAYA
58 9 テレビ東京
60 70 餃子の王将
60 88 LION ライオン(家庭用品)
62 49 Nintendo 任天堂
62 39 LAWSON ローソン
64 125 LOTTE ロッテ
65 47 AJINOMOTO 味の素
66 82 Nestle ネスレ
67 42 COOKPAD クックパッド
67 44 NESCAF? ネスカフェ
69 94 SAPPORO サッポロビール
69 22 ニトリ
71 122 午後の紅茶
72 17 kikkoman キッコーマン
72 108 House ハウス食品
74 171 au
75 107 Saizeriya サイゼリヤ
75 91 TOTO
77 146 SHARP シャープ
78 201 ZOJIRUSHI 象印マホービン
78 76 morinaga 森永乳業
80 102 T-fal ティファール
81 44 adidas アディダス
81 20 Windows
83 108 テレビ朝日
83 57 ゆうちょ銀行
85 181 KALDI COFFEE FARM カルディコーヒーファーム
86 207 ファッションセンターしまむら
86 217 Pocky ポッキー
86 122 Yakult ヤクルト
89 43 価格.com カカクドットコム
89 177 MITSUYA CIDAR 三ツ矢サイダー
91 71 mizkan ミツカン
92 177 YAMAHA ヤマハ
93 180 iPad
93 77 亀田製菓
95 26 Canon キヤノン
96 265 DOUTOR ドトールコーヒー
97 60 HONDA ホンダ
98 73 集英社
99 113 OLC オリエンタルランド
99 185 The PREMIUM MALT'S ザ・プレミアム・モルツ
まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。