結果、1セット当たりの重量は従来に比べ約4割減の250kg。ホームの補強工事の度合いも抑えられる。5~6人がかりで運搬や据え付けをしていたのが、軽量化により2~3人で十分になった。小回りが利き、駅の入り口からホームに搬入できる利点もある。

 日本信号によると設置費用は従来の3分の2で済むといい、億円単位の負担軽減が見込める。同社は2015年から開発に着手。「棒タイプは弱そうだとの思い込みがあったが、もっと早くやるべきだった」とステーション安全営業部の南順一部長は話す。2017年から九州の駅で実証試験を行う予定だ。

 東日本旅客鉄道(JR東日本)子会社、JR東日本メカトロニクスも同じ点に目を付けた。扉の形状に加工したアルミ製フレームが戸袋からスライドする。1セットの重量は、山手線に設置済みの従来型に比べ3割ほど軽い。レールを使わずとも、フレーム自体が自走する仕組みが特徴だ。

 2年超の研究を経て、2016年内に横浜線で試行する計画。乗客の動きやダイヤへの影響を検証する。将来は他の鉄道会社への販売も視野に入れる。

 日本信号、JR東日本メカともホームドアの開口部は280cmを確保。車両のドアは横幅130cmだが、手動により停止位置が多少ずれても対応できるようにした。TASCが未導入の駅に設置することを想定している。

 ホームドアの性能基準は「交通エコロジー・モビリティ財団」が報告書で示した内容が目安となっている。

 朝夕の混雑や車いすの衝突でもびくともしないよう、横からの衝撃に対し約250kgf(重量kg)、縦方向の荷重は約100kgf、風速で約50mまで耐えられる設計が一般的。今回紹介する主要4社のホームドアはそれらを満たす。

注:各社への取材や国交省資料を基に本誌作成

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