簡素化徹底で重量4割減

 普及を狙うメーカーや鉄道会社の視線はこれらの解決に向けられている。

 まず軽量化だ。日本信号が10月1日に埼玉県で開いた「鉄道まつり」。運転シミュレーターや模型などを展示するなか、開発が最終段階に入った軽量型のホームドアが披露された。

 下の写真のように、直径4~5cmの物干しざおのような棒が扉の代わりに、戸袋から横向きにスライドして出入りする。通常の鋼板製扉を軽いアルミ製の棒に置き換えた。4~5本の棒を、強度維持のため先端部分で連結している。訪れた家族連れらは興味深そうに眺めていた。

 従来型のホームドアの場合、1枚30kg程度の扉を滑らかに動かすため、戸袋の筐体には大きなモーターや専用のレールを2本、内蔵している。屋外で使用するため、防塵や防水措置を施してレールを密閉する必要もある。

 軽量の棒なら、大きなモーターは必要ない。さらに駆動部にベルトを採用することでレールの使用を1本に抑え、省スペース化に成功した。戸袋の横幅は従来の180cmから55cm、厚みは25cmから20cmとスリムになった。

●従来型

様々な課題

  • ・重い(1セット・開口部当たり約400kg)ため設置には大規模なホーム補強が必要な場合も。
  • ・合計で1駅当たり数億~十数億円の費用。
  • ・扉の位置が固定的で、一度設置すると特定の車両編成、ドア位置にしか対応できない。

●軽量型

●日本信号

  • ・扉ではなく、4~5本の棒を横にスライド。機構を簡素化し、1セット当たり約250kgに。
  • ・2017年に九州の駅で実証試験予定。

●JR東日本 メカトロニクス

  • ・扉ではなくフレームを横にスライドさせる。軽量でホームに搬入、設置しやすい。
  • ・2016年内に横浜線・町田駅で実証試験予定。(写真=JR東日本提供)

昇降ロープ型

●JR西日本

  • ・扉部分を昇降するロープに置き換え、広い開口部を確保。ドア位置が異なる車両やオーバーランに対応。
  • ・3月から京都線・高槻駅で本格稼働。

マルチドア対応型

●三菱重工交通機器エンジニアリング

  • ・任意の扉を開閉可能。1両当たり2ドア、3ドア、4ドア、様々な車両に対応。名称は「どこでもドア」。
  • ・10月末から京急久里浜線・三浦海岸駅で実証試験予定。

戸袋移動型

●神戸製鋼所

  • ・戸袋自体が移動し、任意の扉を開閉。様々な車両に対応。
  • ・西武新宿線で実証試験済み。

昇降棒型

●高見沢サイバネティックス

  • ・乗降時に横棒が上昇、普段は下降した状態で線路への進入を防止。
  • ・JR東日本八高線で試行中。