「酒は人をつなぐ」(尾畑)

尾畑:私は、「学校蔵」を始めてから、今まで以上に「酒は人をつなぐ」という思いが強くなりました。例えば、同じ「真野鶴」を飲んで、東京の女子大生と田舎のおじいさんが一緒に「うまいねぇ」なんてやっているのが理想。若い子が「いつか、あの大吟醸を飲むんだ!」とアルバイトを頑張ったりしてくれたら、いいなぁ。世代や肩書きを越えて飲まれることで、長く飲まれる酒になるでしょうから。

吉本:「長く続けていく」ことは大事です。私の行動指針の1つでもあります。私たちは新興企業ですが、伝統産業を尊重してもいます。だから、茶商や茶農家、茶器産業の方々が適正な利益が得られるように、ビジネスプランを練ってきました。このため、彼らは私たちを頼ってきてくれますし、私たちも情報収集などの点で助けられることがたくさんあります。

 ロイヤルブルーティージャパンが目指すのは、日本茶業界の活性化です。これまでペットボトル入りのお茶が主流を占めていたところに、私たちは高級日本茶を投入しました。このことによって、日本茶のおいしさに目覚める人が増えました。すると、日本茶業界が変わります。大きくは2つ。まず、ペットボトル入りお茶に対する消費者の意識です。以前は価格で選んでいたと思うんです。それが「『伊右衛門』が好き」「『お~いお茶』が好き」「『生茶』が好き」と、“識別”するようになりました。高級日本茶の味のこだわりを知って、メーカーで味も思いも違うんだと気づくきっかけになったのでしょう。

 そして、中級日本茶の市場拡大にも貢献します。「ロイヤルブルーティー」の高級日本茶は高すぎて、そうそうは購入できないかもしれません。しかし、中級日本茶であれば、買ってきて急須で淹れて楽しむことはできます。現在、日本茶の国内市場は、ペットボトル入りのお茶を含めて、9000億円近くと言われています。これを1兆円にしたいと考えています。

尾畑:その規模は、フランスでのワイン輸出量と同じぐらいですね。フランスの酒類輸出総額は約1兆円で、一大輸出産業として国を支えています。日本酒の輸出額が2015年は140億円、日本茶も2016年には100億円の壁を越えるのではないでしょうか。フランスのワイン輸出量と比べれば規模はまだ小さいですが、成長率は目を見張るものがあります。同時に、お米農家やお茶農家などの日本の地域産業が育っていけば、食を含む景勝地として観光振興や国際親交が促されるという良い循環が期待できます。