生き残るためには思い切ってポートフォリオを組み替える

内田:とはいえ、仮にですよ。川村さんがある地方のスーパーでも何でもいいんですけど、地方企業のトップだとします。生き残るためには思い切ったポートフォリオの組み替えや不採算店を畳む、あるいは事業の統合や売却もしなくちゃいけないと。これは理屈ではそうだけど、地元で長年やってきて、お客さんも社員もほとんど地元の人たちだという状況の中だった、どうされます? もし川村さんが、そういう企業の経営者なら。

川村:難しいかもしれませんが、ただ事例がいくつか出てきているでしょう。経営共創基盤が経営している地方のバス会社などは好例ではないですか。ほかには星野リゾートもそうですよね。もし星野佳路さんが、親から継いだ軽井沢の旅館経営でとどまっていたら、大きな成長はないかもしれないけど、静かに暮らせたかもしれない。でも今は日本のいろいろなところに旅館やホテルを展開していて、さらに海外まで行こうとしているわけですよね。彼は静かに地方で旅館運営をするという発想は捨てて、大きなネットワークでやろうとしていて、しかも成功している。だから、地方の企業でも、事例は出てきているんですよね。

内田:ただ、経営共創基盤の冨山和彦さんは、出資しているバス会社が営業している県の出身でもないし、星野さんも様々な場所に展開して経営しているので、「地元出身の経営者が地元の雇用や顧客をどうするか」というジレンマをかかえているわけではないですよね。そうなるとやっぱり、地元出身や地元での生え抜き経営者だと、地方企業の大胆な改革は難しいということになるのかもしれない。

川村:まあ、海外だって地元のローカル企業がけっこう残っていますからね。かなり難しいとは思うんだけど。生産性というか、稼ぐ力を上げる発想は、世界に比べ国内企業は全般的に弱いことは確かですよね。

 国内勢でもグローバル化している企業は、もっと稼ぐべきという思想が浸透している。ただ、地方企業を含め国内の大半の企業には、まだそういう意識が行き渡ってない。それではダメで、そういうことが必要だと国内の企業が気が付いて、もっと稼ぐようにしないと日本のGDP(国内総生産)は上がらないんですから。そこは、もっと意識するべきだと思います。

《この続きは日経ビジネス4月11日号のスペシャルリポート『日本にはまだ「変化」が足りない』をご覧下さい。》