ルーヴェン:例えばイタリアでは年々スマートの注目度が高まっています。でも充電などのインフラがほとんど整備されていない。ですからほぼ100%エンジンモデルになっています。一方でノルウェーはいま国をあげて、2025年までにエンジンモデルの販売を禁止して、すべてグリーンエネルギーを利用したクルマへ移行しようと進んでいます。ですから、ノルウェーは今後もっともEV比率の高い国になるかもしれません。

とすると、一方でエンジンを作りながら、一方でEVもという、作りわけの手間が発生するのではないですか?

ルーヴェン:まさにそうです。ですから大切なのはフレキシビリティです。ノルウェーはすでにEV率が2割を超えており、今後急速に増えていく。一方でイタリアのようにエンジンが必要な国もある。ドイツ国内でも現状は1%にも満たないのですが、この新型で10%くらいを目指していく。そういった変化に対応できるフレキシブルな製造体制が重要になってきます

では世界的に見て、EVが早く普及する可能性がある国といえばどこになるのでしょうか

ルーヴェン:やはり中国でしょう。ポテンシャルもあるし変化のスピードも速い。次がアメリカ市場、そして3番目に日本がくると思います。また欧州市場ではフランスやスペインでも需要が高まっています。ただ1つ1つの国は小さなものなので、先のノルウェーやドイツなども合わせて欧州連合として4つ目の市場といえます。

「環境にやさしいものだから」と売る気はない

EVの開発段階においてメルセデスとスマートはどの程度連携が図られるものなのですか?

ルーヴェン:簡単にいえば、コアコンポーネントであるバッテリーはグループとして管理しています。いまのEVやPHVにとってもっとも高価な部品がバッテリーです。LG製のセルを使っていますが、バッテリーのマネジメントは100%自社で行っています。

ルーヴェンさんはプレゼンの場で、スマートはシティカーであり1日30~35kmの航続距離をカバーできればいいと話されてました。今後、バッテリー性能がどんどん向上していくと想定したときに、もっと航続距離を伸ばすのか、より出力をあげるのか、スマートの役割はどのように変わっていくと考えていますか?

ルーヴェン:まず前提として言っておきたいのは、われわれがスマートにエレクトリックエンジンを搭載している第一の理由は、「環境にやさしいから」ではないんです。ですからこのEVを「空気を汚染しないきれいなもの」として売り出したいわけではなくて、EVは「ダイナミックで、ファントゥドライブであること」を強調したいのです。

 もちろん排ガス規制などはクリアしなければいけない課題です。でも、それらを解消する負担をユーザーに押しつけるようなことはしたくない。ユーザーには、ただシートに座って、ステアリングを握って、楽しさを感じて欲しいのです。

なるほど、それならば、初代のスマートにはロードスターやロードスタークーペというスポーツタイプが用意されていました。あのようなモデルが設定されるのなら、個人的にもぜひ購入したいのですが…。