ダイムラーは先日、新たな企業戦略“CASE”を発表した。これは「Connected」、「Autonomous」、「Shared&Service」、「Electric Drive」の頭文字の略だという。これらを重点項目として事業を進めていくというわけだ。

 いま欧州で拡大をみせるスマートを使ったカーシェアリングサービス「car2go」だが、一部エリアではすでに全車両をEDにしている。また大都市向けのcar2goに対し、小規模な町で家族や地域住民とシェアリングする「ready to share」というサービスの導入も予定している。さらに昨年秋からは世界最大の物流業者DHLと協力して、配達員が位置情報などを頼りにクルマの場所を特定し、通信によって送信されたワンタイムパスワードで車両のロックを解除してトランクなどに配送品を届ける「Smart Ready to Drop」というサービスの実証実験を本社のあるシュツットガルトで開始している。
   ドイツでのスマートEDの価格はフォーツーで2万1940ユーロ(約264万円)、4ドアのフォーフォーは2万2600ユーロ(約275万円)からで4000ユーロ(約48万円)の補助金も利用できるというから、コンパクトなシティカーとしても現実的な価格と言えそうだ。試乗後、スマートEDプロダクトマネジャーのレンプ・ルーヴェン氏に、今後のEV市場をどのように見ているのか、話を聞いてみた。

スマートED(electric drive)プロダクトマネジャー 
レンプ・ルーヴェン(Remp,Rouven)氏

ダイムラーのビジネスプログラムで経営学を学んだのち、2004年に入社。メルセデス・ベンツCクラスやEクラスの将来的な事業戦略の枠組み作りや、Sクラスの製品戦略担当などを経て、2011年より中国に赴任し、BYD(比亜迪自動車)とダイムラーのジョイントベンチャーによるEV「DENZA」を担当。2014年より現職に。

日本のEVに関する市場をどのように見ていますか?

レンプ・ルーヴェン氏(以下:ルーヴェン):実はビジネスプログラムの卒論制作のために、メルセデス・ベンツ日本の六本木のオフィスに駐在していたことがあります。当時導入予定だったCLSクラスのカスタマーセグメント、市場分析を行いました。

 日本では、三菱自動車の「iミーブ」や日産リーフなどのEV、トヨタの「ミライ」やホンダの「クラリティ」などのFCV(燃料電池車)などがすでに量産されています。また「チャデモ」という充電インフラが整いつつありますし、例えば日産リーフなどはバッテリーに蓄電機能をもち、災害時などいざというときには給電する機能をもたせている。日本はEVにおいても先進国だと思います。

その割には、それほど国内では普及していないのが現状です。このスマートは欧州ではどれくらいのマーケットシェアを獲得できると見ているのでしょうか

ルーヴェン:ヨーロッパにはいろんな国があって一概には言えません。普及のスピードは国によってさまざまです。とにかく戦略として大事なことは、スマートはいま世界で唯一、エンジンとEVの両方を設定しているモデルですが、色やオプションなどに関しても「EVだからできない」という限界を設けず、選択の自由を与えることが大事だと考えています。