中国自動車市場の成長と調整は、短期的には新車販売の動向を左右する政策・規制などの影響を受けやすいと見受けられる。しがしながら、中長期的には、同市場のポテンシャルは依然として高く、2025年には新車市場3500万台規模に達すると予測される。

 また、中国は地理的・気候的条件が多様で、NEV販売のハードルとなる要因が少なくない。特に、NEVの品質問題、充電スタンド設置、電力供給の課題などは、NEV普及の阻害要因となっている。

 ただ、当面はガソリン車・NEVの共存が続くとしても、強力な政府の政策の後押しによって、NEV市場は確実に拡大していくだろう。苛烈な市場競争が続く中、自動車メーカー各社はNEV・ガソリン車のバランスを取りながら、中長期的な戦略を持って生産・販売体制を構築する必要であろう。

 次回以降は、中国における自動車メーカー競争の特徴や新エネ車シフトの実態を分析したい。

湯進(たん・じん)氏
みずほ銀行国際営業部主任研究員・博士(経済学)

2008年入行時より国際営業部に所属。自動車・エレクトロニック産業を中心とした中国の産業経済についての調査業務を経て、中国地場自動車メーカーや当局とのネットワークを活用した日系自動車関連企業の中国ビジネス支援を実施しながら営業推進業務に従事。また継続的に中国自動車業界に関する情報のメディア発信も行っている。

直近の自動車関連レポート

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  • 日経産業新聞 「中国新エネ車育成加速(上・下)」(2017 年10 月31 日~11 月1日)
  • 「中国新エネ車産業の規制緩和と日系企業の対応」『Mizuho Globalnews』 Vol.93、みずほ銀行2017. 10
  • 週刊エコノミスト「中国の野望 国策で新エネ車の開発加速」(2017. 9 )
  • 日経産業新聞 「中国に懸けるVW の焦燥」(上・下)」 (2017 年7 月19 日~20 日)