清掃コスト5分の1に

 その点、未来機械のロボットは1回の充電で2時間稼働し、1時間あたり200平方メートル程度の清掃能力を持つ。それに加え、ロボットに内蔵するブラシが回転し砂を外にはじき出す構造で、水を使わないでよい点が画期的だ。

 作業が終わればパネルの下側まで自動的に戻ってくる。人手が必要なのは主に電池交換の時だけ。人手の清掃と比べて総コストは5分の1だ。

 未来機械は2013年にロボットを開発。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールの3カ国で2年間の試験運用を経て、精度を高めてきた。2017年から本格量産を始める。

 「パネルの清掃は、大手電機メーカーなどが参入してこないニッチな市場。実績を早く積めば、シェアを独占できるチャンス」と三宅社長は力を込める。

 資源依存からのシフトを目指す中東での太陽光パネル市場の伸びは大きい。調査会社IHSマークイットの調べによると、2020年には中東・アフリカでのパネル設置規模が2016年の3~4倍に膨れあがる。インドなどでもメガソーラーの建設計画がある。

 将来性に目をつけたバイオベンチャーのユーグレナなどが出資するファンドから、約1億円の出資を受けた。未来機械は2020年度の売上高を30億円にすることを目標としている。

 ロボット製造者としての三宅社長の原点は少年時代に遡る。生まれは香川県から瀬戸内海を挟んで向かい合う岡山県。実家は菓子用や弁当などに使われる折り箱の製造工場を経営していた。

 中学生だったある日。突然、工場に全自動の機械がやって来た。これまで手作業中心で作り上げてきた折り箱を、瞬く間に機械が作り出す。その光景を目にした三宅少年の心に火がともった。

 その後、香川大学に進学。NHKが主催するロボットコンテストに参加し、大学世界大会でアイデア賞・ベストパフォーマンス賞を受賞した。その時のチームメートたちと在学中の2004年に未来機械を設立した。

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