「官製春闘」には賛否両論

 政権が経営側に賃上げを求める「官製春闘」についての意見は分かれる。肯定する意見の中には「何もしなければ経営層が賃上げに動かないため、やむを得ない」「仕方ない」と消極的な肯定も目立つ。否定的な意見では「企業が自律的に決めること」「政治介入は不要」との理由が多い。

賃上げ以外の要求は「柔軟な働き方」

 今年の春闘では、日立製作所で就業と始業の間を11時間開ける「インターバル制度」、パナソニックで育児や介護などのために1時間単位で有休をとることを認める制度の導入が決まるなど、賃上げ以外の待遇改善に関する議論も目立った。

 そこでアンケートでは、賃上げが難しい場合、代わりに何を求めるか聞いてみた。

勤務先から提示された賃上げ水準が、満足いかないものであった場合、代わりにどのような配慮や処遇があれば満足しますか。(複数回答可)

 結果は、「副業など柔軟な働き方を認める」が1位。本業以外での収入源確保にも関心があるようだ。2位には「休暇の取りやすさや福利厚生の充実」が続いた。この2つが、「能力主義など従業員のやる気を高める賃金体系」「職歴や経験を重視した賃金体系」を上回っており、賃金体系の改定よりも柔軟な働き方やワークライフバランスの充実につながる施策を求める声が多い。今年の春闘では一部企業がこうした声にこたえた形になった。