今年の春闘が終わった。電機や自動車業界ではベア実施企業が相次いだものの、月給ベースでは安倍晋三政権が経済界に要請した「3%の賃上げ」に届かない企業が多い。 日経ビジネス3月12日号の特集「給料はもっと上がる」では、実質賃金が長らく上がらないワケや、賃上げ余力のある会社ランキング、賃金制度改革に取り組む企業などを紹介した。特集に合わせて実施した賃金に関するアンケートを紹介しながら、働く人の賃上げへの意識を見ていく。
2018年2月15~26日に、日経BPコンサルティングを通じてインターネットで調査した。有効回答は927。
賃上げしたら個人消費は増える?
政権が経済界に賃上げを要請する「官製春闘」は、働く人の賃金を上げることで消費意欲を喚起し、デフレ脱却につなげるのが大きな狙い。そこでアンケートでは賃上げや賞与の引き上げがあった場合の使い道について質問した。
結果、最も多かった回答は「貯蓄」で49.3%を占めた。年金不安など社会保障の先行きに不透明感があることなどが理由だろう。続いて「食費、生活必需品など日々の生活費」。3位が「子供の教育費、習い事」だった。回答から見る限り、積極的に消費を増やそうという意識はあまり強くはなさそうだ。個人消費を喚起するという政府のもくろみ通りにはいきそうもない姿が浮かび上がる。
「3%」の賃上げは、「適正水準」?
次に安倍政権が今年の春闘で経済界に要請した「3%の賃上げ」。その水準の評価について尋ねた。
半数強が「適当」と回答した。「3%の賃上げ」は水準感としては一定の評価を得ているようだ。一方で3割弱が低すぎる、1割超が高すぎると回答した。大半が適当と考える中、「低すぎる」「高すぎる」それぞれの理由を複数回答で尋ねた。
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