リクルート、相場価格を指数化

 ITを活用して、適正価格の精度を上げる技術を「ダイナミックプライシング」と呼ぶ。顧客の購入意欲に応じて商品・サービスの価格と割当量を変えることで収益の最大化を図る。

 価格を1つに固定してしまうと、販売数はおのずと上限が形成される。潜在的な顧客の中でも、高くても買う層と安くないと買わない層がいる。価格をダイナミックに変化させることで、こうした層の購入意欲を高め、全体の収入を増やす(図3)。

複数価格の設定で収益を最大化
●図3:ダイナミックプライシングの概念
複数価格の設定で収益を最大化<br/>●図3:ダイナミックプライシングの概念

 このダイナミックプライシングにとりわけ関心を示しているのが、スポーツやエンターテインメント業界だ。興行主としては人気に応じて適切な収益を確保したいと考えるのは当然だ。消費者も人気のチケットが入手しやすくなればメリットがある。

 戦略的な値付けに乗り出す各社に共通するのが、外部データの活用による精度向上への期待だ。

 例えば、リクルート住まい研究所は住宅情報誌に掲載した価格などの情報と販売期間、場所や駅からの距離などの物件情報などを基に、2000年代初頭に住宅価格指数を開発。住宅関連企業や金融機関などに提供してきた。当時開発を担当したリクルートホールディングスR&D本部RIT推進室の清水千弘フェローは「購入者の実態を反映したよりリアルタイムな指数を目指した。家を購入して後悔する人をなくしたいという思いがあった」と説明する。

 リクルートは住宅指数を無償で公開するほか、購入者アンケートの結果など蓄積した情報を分析して住宅情報誌やサイトへの広告を出稿する企業には基本的に無料で提供している。

 現在は、「事業者がマンション向けに購入した土地に関連し、どのような条件の物件を建設すればどのような収益になるのかシミュレーションできる仕組みを検討している」(清水フェロー)という。

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