耐火シート、じっくりと貼り付け

<b>日本集成材工業協同組合が大臣認定を取得した鉄骨内蔵型の集成材</b>
日本集成材工業協同組合が大臣認定を取得した鉄骨内蔵型の集成材

 ここに商機を見いだしたのは鹿島だけではない。清水建設が開発した「スリム耐火ウッド」はFRウッドと同様の構造を採用しつつ、別のアプローチで燃え止まりを実現している。

 構造部分に熱が届くのを防ぐのはゴム状の耐火シート。上の図のように平常時には厚さが2mmしかないが、周囲の温度が200~250度に達すると発泡し、40~60mmまで膨らむ。厚さが増せば、そのぶん燃え進むのに時間がかかる。耐火シートと一緒に挟み込む強化石膏ボードには微量の水分が含まれており、こちらにも全体を冷やす効果があるという。

 外側を1000度弱の熱に1時間さらしても、構造部分の表面は120度までしか熱されず、着火しない。耐火シートを均等に膨らませられるかが性能の良しあしを決めるため、工場における貼り付けは全工程のなかでもじっくりと時間をかけるのだという。

 スリム耐火ウッドは柱向けについて2015年に、梁向けについても2016年に大臣認定を取得した。耐火シートが2mmと薄いので、設計の自由度が高い。清水建設設計技術部の水落秀木氏は「今年度内に第1号の受注を獲得したい」と意気込む。

 耐火性能を持つ木材はコストが高い。清水建設の水落氏も「どんな建物にも使えるというわけではない」と話す。それでも「木には調湿機能や、空間で過ごす人のリラックス効果などメリットが多い」(住友林業木化営業部の杉本貴一氏)。建築物の付加価値が高まれば、ゼネコンやハウスメーカーにとっては強力なセールスの武器になる。

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