安定志向の価値観を変えていく

池田:地方創生を大きく進めるためには、とにかく地方で新しいことに挑戦する人を増やしていかなければいけない。そのために社会のシステムとしても、そういうものがあったほうがいいというのが、やはり現場で地方創生の活動に取り組んで実感していることです。

増田:それも大事だけど、システムは所詮、外で用意されているもの。活用する人が、強い思いを持って挑戦しないと大きな力にならないんじゃないですか。

池田:おっしゃるとおりです。最終的には強い思いを持って挑戦する人が増えていかないと意味がない。そこはシステムをつくり、成功モデルを次々とつくりながら、世の中の価値観を変えていければと思っています。

 安定志向は悪いものではありませんが、それでだれも新しいことに挑戦しなくなったら社会の進歩が止まってしまいます。地方創生を通じて挑戦的な生き方をする人がもっと増えるような、そういう社会にしていきたい。

増田:一心不乱に燃焼し尽くすというのは、どこかで一度経験しておいたほうがいいことだと思います。それが後の人生で必ずプラスになりますから。自分の人生を振り返ってそんな感じがしていますが、そういう場として地方創生を利用するのはいいことだと思います。

池田:こういう言葉が好きです。「成功」の反対は「失敗」ではない。「経験」なんだと。失敗を恐れてなにもしない人がいるけど、それだと失敗しないけど成功もしない。グループ内やベンチャーで新規事業にチャレンジする人には、いつもそういうふうに鼓舞しています。

 新しいビジネスを軌道に乗せるのはたいへんなことで、ときには3億、5億の事業で損失を出すこともあります。でもそれであきらめたらなにも残らないので、生きたビジネススクールでいい経験、いい勉強ができたんだから、いつかちゃんと回収しろというふうに言っているんです。

増田:ちょっと見方を変えるだけで、見えてくる世界はまったく違ってくる。もちろん、リスクは厳密に解析してできるだけ低減させなければならないけど、一方でそれをとっていかないと進歩はないんです。地方創生に興味のある人、中心で活動してみたいと思っている人が、そういう気構えで一歩踏み出してくれたら、世の中は大きく変わると思います。

池田:同感です。一度きりの人生なので、後悔することがないように挑戦的な人生を送ってもらいたい。

増田:私もがんばりますが、池田さんもぜひいまのような挑戦的な生き方を続けてください。

(了)

地方の自立・活性化の具体策と、それに欠かすことのできない地域リーダーの育成案などからなる「地方イノベーション」を、実践的に説いた本です。掛け声だけに終わりがちな地方創生をいかに実践・実現するか。主体的かつ自立した「民」とそれを支援する「官」、それぞれの役割と活動内容を具体的に提示します。


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