超高齢化・人口減少は、地方が直面する喫緊の課題であり、それを克服するために地方創生への取り組みが大いに期待されている。ただし、なかなか目に見えた成果を感じにくいのが現状だろう。地方創生の実現に向けて何が必要かという観点から、東京一極集中からの脱却を唱える増田寛也氏と、地元新潟を起点に地方活性化を果たす池田弘氏に対談してもらった。その後編。

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池田 弘(いけだ・ひろむ)氏
NSGグループ代表、アルビレックス新潟取締役会長
1949年、新潟市生まれ。新潟県立新潟南高等学校卒業後、國學院大学で神職養成講座を受講し、東郷神社等で実習を重ねる。74年、神明宮(新潟市鎮座)の禰宜に就任(05年宮司就任)。77年、愛宕神社宮司に就任、同年、新潟総合学院を開校、理事長に就任。95年、学校法人新潟総合学院理事長、98年、社会福祉法人愛宕福祉会理事長、00年、学校法人新潟総合学園理事長、08年、同総長、医療法人愛広会理事長に就任。12年、日本ニュービジネス協議会連合会会長に就任。「異業種交流会501」の会長として起業家支援にも力を入れている。(写真:都築雅人、以下同)

池田:私は地方創生を支える場づくりという点で、地方の中核都市、中核企業に期待しています。地方創生では小さな町の成功例がよく取り上げられていますが、客観的に見ると規模が小さい。それはそれで大事だと思いますが、中核都市で中核企業ががんばれば、はるかに多くの雇用を創出することができますから。

増田:小さな町の成功例は、その規模だからすごいということで、よそから見たときに一つの手本になります。おっしゃるとおりでそれも大事なんです。一方で、より大きな規模で地方創生を進めていかないと地方は本当の意味で元気になっていかないので、池田さんにはぜひがんばってもらいたい。

池田:そのためにも意欲のある優秀な人材が必要なんです。前回に紹介した「Spiber」の関山社長を見ていると、最終的には命がけで人生をまっとうする人が地域にどれだけ入り込むかがカギになると思わされます。官僚や大企業にいる人、知見や経験のある人が一時的にプランづくりや手伝いに参加する仕組みはいまでもあります。そこからもう一歩進めて、地域に入って主体的に活動する人を埋め込む必要がある。

「骨を埋める覚悟がある人」を受け入れるには

増田 寛也(ますだ・ひろや)氏
元総務相、野村総合研究所顧問
1951年東京都生まれ。77年東京大学法学部卒業後、旧建設省(現国土交通省)入省。95年岩手県知事当選、連続3期務める。2007年第1次安倍晋三内閣から福田康夫内閣の2008年まで総務相。2009年から現職。日本生産性本部副会長、東京大学公共政策大学院客員教授なども務める。地方自治をはじめ政策通として知られ、「一億総活躍国民会議」の民間議員など多くの政府の政策会議や審議会の中心メンバーでもある。

増田:彼らは能力が高いので、アドバイザーかなにかで活用するのは大事なこと。でもアドバイザーがいつまでも地方創生の中心にいてはいけないのは確かです。現場はやはり、その地方や近隣の若い人たちが中核になるのが理想ですから、骨を埋める覚悟のある人が地方に行くことができる仕組みが確かに必要だと思います。

池田:そういう人を増やすのは、地方だけでなく日本の国益にもなると私は考えています。いまはプロジェクトの中心で活躍できるリーダー、とくにグローバルリーダーになり得る人が不足していますから。

増田:マネジメントに長けた人は確かに必要です。技術基準でも国際的な標準化のところはすべて日本以外の国が主導して決まっていますから。

 そのため日本は、国内だけしか通用しないガラパゴスみたいな状態になっている面もあります。そういうステータスを高めていけないといけないから、外の風にさらされて、その中でもリーダーシップを発揮できる人を育てないといけない。