こうして完成したR2-D2型移動式冷蔵庫は2015年10月29日に予約受付を開始。受注生産方式を採っており、価格は107万7840円だ。「冷蔵庫として考えると超高額商品ですが、当初の想定よりはかなり低い(利益が出る)ギリギリの線で値段を設定しました。“高過ぎ”と言われることが多いですが、売れ行きは順調。爆発的とは言えませんが、いいペースで予約が入り続けています」。
国内はもとより、海外からも注目が集まったR2-D2型移動式冷蔵庫。企業としてのPRやブランドイメージアップの効果は相当期待できそうだが、それだけで終わらせるつもりはない。新規事業としてしてしっかり稼いでいく。「この商品に関しては、かなりの開発コストがかかっています。当然、PR効果だけを狙ったものではありません。初年度から利益を出すのは難しいけれど、長い目で見て黒字化したい。現在は日本のみでの販売ですが、ゆくゆくは中国やアメリカでも展開したいですね。スター・ウォーズの映画は完結まであと2作ありますし、長期で戦略を立てていきます」。
スター・ウォーズとのコラボにより、販売チャネルも広がった。通常、冷蔵庫の販売は家電量販店がメーンだが、スター・ウォーズ関連商品であれば、インテリアショップやキャラクターショップなどでの販売も考えられる。
“着せ替え”で収益を上げる
アクアでは、ほかにもスター・ウォーズ関連商品の開発を進めている。R2-D2型移動式冷蔵庫と同時期に発売したのが、ダース・ベイダーの頭部を模した「MASK 保冷庫」。土台部分に設置したペルチェ素子による冷却板で350mlの缶1本を保冷する。頭部を押すと、保冷マスクが持ち上がり、その状態で飲み物を出し入れする。動作時には、ダース・ベイダーの呼吸音とライトセーバーの効果音を交互に再生。新たにストームトルーパーとC-3POの頭部を模したタイプも発売した。


前述した通り、冷蔵庫は買い替えサイクルが長く、一度売ってしまうと顧客との接点が途切れてしまう。冷蔵庫用着せ替えカバー「Colo-mo」は、そんな課題を解決する商品だ。表面にダース・ベイダーやストームトルーパーなど、人気キャラクターが描かれており、これを装着するだけでキッチンの雰囲気ががらりと変わる。気分によってカバーを替えるといった習慣が定着すれば、一人の顧客から継続して収益を上げられる。「冷蔵庫本体は買い替えサイクルが長いが、こうしたアクセサリー商品は追加でお客様に買ってもらえる。売り手と買い手を密接につなぐ商品になれるのではと期待しています」。
アクアが打ち立てた「家電の嗜好品化」という戦略は、今後の家電のあり方やマーケットを大きく変えるかもしれない。


12月18日(金)18時30分 全国一斉公開
タイトルイメージ:スター・ウォーズ/フォースの覚醒
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