これまでの役所組織はモノカルチャー

これからの公務員にはどのような人材が求められるのでしょう。

藤井延之・湯沢市副市長(秋田県)

藤井:公務員が地方でできることはまだまだたくさんあります。地域経済の中で、市役所の扱う予算規模は大きいし、まちのルールをつくることもできる。公務員のバリューは大きいと思うのですが、いったん役所に入ってしまうと、どうしても役所の都合で物事を考えてしまいがちなのが残念です。役所内のものさしではなく、自分が担当している仕事が役所の外ではどのような意味を持つのか、市場価値で考えるようにしたほうがいい。

横山:以前は安定志向の学生が公務員になりましたが、最近は「まちを良くしたい」という純粋な思いに駆られて、公務員の道に進む学生が増えているような気がします。私は、まちづくりほどクリエーティブな仕事はないと思っています。まちづくりには、複雑な要素がたくさん絡み合う難しさはありますが、その分、それらをどのようにつなぎ、組み立てるかという道筋は様々なので、実に面白い。
 ただ、これまでの役所組織はモノカルチャーで柔軟性に欠けていました。これからの公務員には、他の役所や民間企業の情報をどんどん取り入れていくような働き方が必要でしょう。

伊藤耕平・寒河江市さがえ未来創成課長(山形県)

伊藤:1つのまちを取ってみても、多様なエリアがあり、多様な人たちが住んでいます。日本全国で見ればそれこそ千差万別です。そうした多様なまちに必要なのは、多様な人材です。こういう人材でなければいけない、というのはないでしょう。そうして公務員一人ひとりが多様性を追求していれば、地方ではもっと面白いことが起きていくはずです。
 寒河江市では職員を1年間、東京の大手広告代理店に研修に出しています。若い職員は、民間企業や国など、どんどん外に出たほうがいい。そうした"他流試合"を通じて、いろいろな考え方や働き方を学べば、そこで身についた多様性が地方創生の過程で必ず生きてきます。