おしゃれに生まれ変わった"穴場"ピャトニツカヤ通り
しばらくモスクワ川沿いに歩いたのちに向かったのは、赤の広場から南へ600mほどのところから始まるピャトニツカヤ通りである。
この付近は観光ガイドでも、まず紹介されていない場所だ。『地球の歩き方 モスクワ』では、市内をいくつかのゾーンに分けて解説しているが、なんと赤の広場の南東にあたるこの周辺はまるでノーマーク。
詳しい地図を持っていなかったはずなのに、30年前になぜこの通りに足を踏み込んだのかは記憶にないが、普段着の町の様子を見たいと思い、例によってぶらぶらと足の向くまま歩いたのだろう。実は、この写真の撮影場所が長らく分からずにいたが、ロシア専門家である中学時代の友人O氏の助けを得て知ることができた。


ところで、このピャトニツカヤ通りだが、近年になって再開発が進んだのだそうだ。確かに、通り沿いにはおしゃれなカフェが建ち並び、脇道にはレストランやファストフードの店が軒を連ねていて、若い人で賑わっている。パリのカルチエラタンのモスクワ版を目指しているのかもしれない。


さらに驚いたのは、30年前にそれこそたまたま撮影した脇道の教会である。薄汚れて荒れ果てていたのは、ソ連政府によって宗教が弾圧されていたためなのだろうか。それが、きれいに外観を塗り替えられ、通り全体も美しく化粧直しをされ、イスまで置かれていたのだ。実は、出発前にグーグルストリートビューで場所を確認したときは、まだ工事中で建物にカバーがかけられていた状態だったのである。


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